あなたは日々の生活の中で「何で上手くいかないんだろう」と疑問を感じることはありませんか?
認知行動療法は、そんな日々の出来事に対する認知の歪みを捉え、バランスを整えながら修正し、ストレスを減らしていく精神療法(心理療法)です。わかりやすい書籍もたくさん出版されています。
今回は、認知行動療法がどんな精神療法なのか、詳しく解説します!
全然知らなかった人や何となく知っていた人、もっと知りたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
認知行動療法(Cognitive-Behavioral-Therapy:CBT)とは?
認知とは、物事の「受け取り方」や「見方」のことを言います。
例えば、街で人にぶつかった時に「私がのろのろしていたからだ」と考えることなどです。このような、何か起きたときに瞬時に考えることを認知行動療法では「自動思考」と言います。
この「自動思考」に気が付いていき、今の行動や考え方を修正、新しい行動や考え方を取り入れます。
これらを繰り返すことで、同じような出来事が起きても、極度に落ち込むことがなくなり、ストレス軽減に繋がるといわれています。
認知(考え方)と行動の両方に働きかける
認知行動療法は、認知療法と行動療法という別物の精神療法の良い部分を合わせた方法です。
認知療法とは、認知の歪みを修正する、思考に焦点をあてる精神療法。
一方で、行動療法とは行動面に焦点を当て、適切な行動を徐々に増やしていく精神療法です。
CBTは、今持つ認知の歪みを行動や思考の修正をしながら、バランスの良い思考を目指します。
認知が変わると感情も変わる
認知行動療法では、認知(思考)・行動・感情や気分・身体の4つの側面からアプローチをします。
先ほど例にあげた、街で人にぶつかった状況を思い出しましょう!
その時に「私がノロノロしていたからだ」と考えた(思考)ことにより、悲しくなり(感情)、涙が出てきた(身体)とすると、どうでしょう?認知を修正しないままだと、同じような状況で負の連鎖が続いてしまうでしょう。
しかし、同じ状況でも「今度はよけられるように気を付けよう」や「今の状況は誰でも避けられなかった」と考えると、悲しくなることや涙が出ることは減るのではないでしょうか?
認知行動療法は、例のように認知を修正していくことや、行動を変えていくことで、その後起きるであろう感情・気分も変えることができます。
認知行動療法の効果
出来事や状況は、場合によって一人では避けられないものですよね。例えば、上司に指導されることや資料の作り直しを言われるなど、社会人なら多くの人が一度は経験する事でしょう。
認知行動療法は、もともとはうつ病治療として適用されていました。
しかし、今では企業でも研修を取り入れているなど、障害を持っていない人にも効果があり、精神障害を持っている人は悪化や再発予防に効果があると言われています。
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向いていない人もいるの?
自分ででもできる効果的な精神療法ですが、なかには向いていない人もいます。
それが「現状を変えたくない」「精神的に余裕が全くない」「極度に不安定」「サポートやアドバイスを受け入れられない」人たちです。
ただ「その状態にある」と考えた方がいいかもしれません。
「今は精神的に余裕が全くない」場合は向いていませんが、薬物治療を先に取り入れることで考える余裕が生まれ、現状を受け入れられるようにもなります。ちなみに医療機関では、医師の許可が下りないと受けることはできません。
CBTは自分でできる?メリット・デメリット
認知行動療法は、多くの書籍が販売され、その多くはワーク付きの本です。
実際に「セルフカウンセリング」などという言葉もあるように、自分でやることも可能です。しかし、自分でやることにはメリットとデメリットがあります。
自分でCBTをやるメリット
費用があまりかからず、気軽に始めることができるのは自分でやるメリットです。
通常、精神療法・心理療法は費用がかかります。自分でCBTを場合は、書籍を買うことではじめられます。また、近年はアプリなどもあるので、より気軽にできるでしょう。
自分でCBTをやるデメリット
正しい方法で行わないと解決が遠のくことや、自分一人で努力する必要があることがデメリットといえます。
本を読む、アプリを活用することでCBTは行えます。しかし、CBTは新しい考え方を手に入れることで効果が高まるので、一人でやると視野が広がりにくくなる可能性も考えられます。
はじめのうちは、医師やカウンセラーとやってみる、もしくはセミナーなどに参加してみてもいいですね!
認知行動療法の種類
認知行動療法には、様々な種類があります。代表的なのはこちらの3つです。
代表的な認知行動療法
- コラム法(認知再構成法)
最も有名な方法かもしれません。ワークシートを使い、出来事・感情・思考・根拠などを書き出していき、自分の認知の癖や適応的な思考を知っていく方法です。
- セルフモニタリング
ワークシート(週間活動記録表)や手帳、ノートなどを使って日々の自分の行動や気分の変化などを記していきます。どちらかと言えば行動療法的な手法です。
- リラクセーション法
心身に働きかけ、ストレス予防やストレスの緩和を目指す方法です。「呼吸法」「自律訓練法」「漸進的筋弛緩法」などがあります。緊張状態からリラックス状態を手に入れるための方法です。
認知行動療法(CBT)まとめ
CBTは、私たちが日々感じるストレスを軽減していく方法です。障害を持つ人だけではなく、ストレスをためやすい人や気づきにくい人、ストレス予防をしたい人におすすめです!
自分ひとりで取り組むのは難しいという方には就労支援機関などのプログラムを利用する方法もありますので、一度相談に行ってみましょう。
認知行動療法の「適応的な思考」は正しい思考ということではなく、自身のストレスに繋がりにくい思考です。
就労移行支援事業所選びに失敗したと感じている利用者の声で多く聞かれるのが「事業所の雰囲気が自分には合わなかった」「自分の受けたいプログラムがなかった」「障害の特性を考慮してくれなかった」といったものです。
就労移行支援事業所は、自主的な活動を中心とした所から、障害の特性に合わせた個別サポートを強化している所まで様々。事業所選びに失敗しないためには、「自分の通える範囲にどんな事業所があるのか」をしっかりと調べることが重要なのです。
就労移行支援は原則2年しか利用できないサービスなので、事業所選びに失敗したくはありませんよね。
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