みなさんはナビゲーションブックをご存知ですか?
発達障害者向けに開発された就活や職場定着のための情報共有ツールです。
「取扱説明書(トリセツ)」や「マニュアル」というとイメージがしやすいと思います!
今回は就活や職業定着を目指す発達障害者向けのナビゲーションブックの作り方を解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
ナビゲーションブックってなに?
ナビゲーションブックは、障害者職業総合センターで実施されている専門プログラム「ワークシステム・サポートプログラム」の中で作成されました。知的障害のない発達障害者向けに開発された自己理解に繋がるマニュアルです。
自己理解を深めることで、相手に自分がどんな人なのかを伝えられるというメリットもあり、就職や復職で非常に役に立つものになっています。
「自分のことを理解したい」
「自分のことを他者に伝えられるようになりたい」と考えた時に活用できるツールの1つです。
具体的には、自分の特徴、セールスポイント、課題とその対処方法、会社に理解・配慮して欲しいこと、就職時・復職時の希望等をまとめたものです。引用: 障害者職業総合センター
ナビゲーションブックのメリットは?
ナビゲーションブックをなぜ障害者の就労において作成する必要があるのでしょうか?
発達障害者に限らず、障害者雇用は自分自身のことを企業に伝えるだけではなく、配慮してほしいこと・自身が工夫している点を伝えることで採用する可能性が高まります。
ブックの活用によって自己理解が深まるだけではなく、面接時に何をどう伝えればいいのかも理解することができるのです。
ナビゲーションブックの作り方は?
では、非常に便利なナビゲーションブックはどのように作っていくのでしょうか。
ナビゲーションブックは、障害者職業総合センターの公式サイトでPDFをダウンロードできます。
障害者職業総合センターにおける作成方法
これまで経験してきたことの振り返りや、今現在の生活の中で気がついたことをもとにナビゲーションブックを作成していきます。
障害者職業総合センターのプログラムでは、職場実習や模擬面接、ケース会議を通して更新していくそうです。
ナビゲーションブックに入っている項目例
ナビゲーションブックには、作成の目的を考えるページ、自身を振り返るページ、プレナビゲーションブック(練習用の自己紹介書)、ワークブック、資料集などが用意されています。
どのページも詳しく解説が書かれていて、ワークブックは具体的な例もしっかり掲載されています。
具体的に文字にして書く作業は、最初は何も思いつかないかもしれません。
しかし、資料集には「発達障害の特性チェックシート」が入っており、チェックをしていくだけで自分の特徴が分かります。
あくまでも簡易的なチェックなので、支援者(医師、カウンセラー、相談員など)と一緒に確認して整理することがおすすめです。
具体的な作り方
まずは、ナビゲーションブックを何のために作成するのか、その目的を考えましょう。
例えば、自分がもっている発達障害の特性を理解したい、就活の面接で伝えられるようになりたいなどがあります。
ナビゲーションブック作成手順
作成手順
- 自分の特性を理解し、整理する
↓ - プレナビゲーションブックの作成
↓ - 面接や練習などで実践してみる
↓ - プレナビゲーションブックの見直し・更新
↓ - ナビゲーションブックの作成
↓ - 面接や練習の場で実践してみる
↓ - 必要に応じて更新していく
ナビゲーションブックは、自己理解に繋がるワークと会社に協力依頼をするためのワークが入っています。
具体的には自分のセールスポイントを作業面や対人面、ストレス対処法に基づいて記入する項目や、苦手なこと、自己対処の工夫や配慮の依頼、通院状況を記載していきます。
ナビゲーションブックは一人でも作れる?
実はナビゲーションブックは参考例などの資料も含めると何十枚にもなるほどの量があります。
ダウンロードもできるので、一人で作成することももちろん可能ですが、途中で挫折してしまう方も少なくありません。
まずは全体に目を通すことをオススメします。
どんな考え方が障害者雇用の就活に必要なのか見えてくると思います。
その上で、ナビゲーションブックの作成をどのように進めていくか考えていきましょう。
主治医やカウンセラーと相談
診療時間が限られているので一緒に作成する時間が取れない可能性はあります。
しかし、あなたが就活に対して意欲的なことが伝わり、どのように書いていくといいのかをアドバイスをもらえることができるかもしれません。
また、医療機関にいるカウンセラー(臨床心理士、公認心理師)や精神保健福祉士、社会福祉士、保健師などと相談しながら書くことも可能です。
ただし、診察とは異なるため、別料金がかかることや予約待ちになる可能性もあります。
就労移行支援を活用する
障害をもつ方が長く就労を継続するために、障害に配慮のある障害者雇用枠で働くことや就労移行支援を利用して自己理解や障害特性に対する理解を深めたり、就労に必要なスキルを身につけ、就活をサポートしてもらうことがあげられます。
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就労移行支援事業所選びに失敗したと感じている利用者の声で多く聞かれるのが「事業所の雰囲気が自分には合わなかった」「自分の受けたいプログラムがなかった」「障害の特性を考慮してくれなかった」といったものです。
就労移行支援事業所は、自主的な活動を中心とした所から、障害の特性に合わせた個別サポートを強化している所まで様々。事業所選びに失敗しないためには、「自分の通える範囲にどんな事業所があるのか」をしっかりと調べることが重要なのです。
就労移行支援は原則2年しか利用できないサービスなので、事業所選びに失敗したくはありませんよね。
資料請求や、見学を行って事業所を比較するところからはじめてみましょう。
2分で資料請求完了です
ナビゲーションブック:まとめ
発達障害者向けのナビゲーションブックですが、精神障害者にも有効な内容がつまっています。
障害を持つ人で自己理解を深めたい方や就職活動をしている人や転職を考えている人は、ぜひナビゲーションブックを活用してみてください!
同様の目的のもので就労に特化した就労パスポートというものもあるのでご興味のある方はそちらも参考になさってくださいね。