現在は複数の企業でメンタルヘルス関連の業務を行っています。
リフレーミングは、不安になりやすい・落ち込みやすいなど、ネガティブ思考な人におすすめな心理学的方法です。
リフレーミングを活用することで、マイナスに考えたとしても、前向きな方向に切り替えられるようになる・意識が変わると言われています。
どんな人でも悩んだり、落ち込むことはあると思いますが、今よりも早く前向きに捉えられることで、少しは気が楽になるでしょう。
そもそも「リフレーミング」とは?
リフレーミング(reframing)とは、ある出来事に対する考え方の枠組み(フレーム)を別の枠組み・視点で考えることです。
もともとは、家族療法や短期療法、ナラティブセラピーなど1950年~1960年ごろに開始された心理療法で活用された技法で、今では認知行動療法やNLP心理学などでも使われています。
リフレーミングは、短所を長所に言い換えるという意味として教育現場や就活などの場面でも活用しやすく、取り組みやすい方法です。
リフレーミングのメリット・効果
リフレーミングのメリットや効果は「意識が変わる」「根本的に前向きに捉えられる」ということ。
この前向きさはポジティブシンキングとは異なります。
ポジティブシンキングとは、「まあ、いいか」という深くは考えずに根拠がなく前向きに切り替えること。
一方で、リフレーミングは実際に起きた目の前の出来事から目を背けるのではなく、別の視点から現実を見ます。
ポジティブシンキングもはじめのうちは、気が楽になるなどの効果を得られるでしょう。
しかし、調子が悪いときや疲れているときなどに「大丈夫!大丈夫!」と簡単に思えるでしょうか?そんなことはないですよね。
リフレーミングではどのように捉え、意識を変えるのでしょうか?例えば職場で上司に「この書類ちょっと作り直して」と言われたとします。
落ち込みやすい人
「ダメだと言われた」「私はできない人」「上司に嫌われている」など
ポジティブシンキングな人
「まあ、いいか」「誰にでも失敗はある」など
リフレーミングを活用する人
「○○を△△と書いたら皆に伝わりやすくなるかも」
「企画がもっとよくなるようにチャンスをもらえた」
「先輩にも助言もらって視点を広げよう」
気持ちを切り替えるためには、ポジティブシンキングさも大事ではあります。
しかし、リフレーミングは現実と根拠に目を向けるため、落ち込みすぎて次のアクションがとれなくなるということが少なくなり、行動しやすくなるのです。
リフレーミングの具体的な実践方法
では、意識を変えるためのリフレーミングはどのように実践するのでしょうか?
具体的な活用例
先ほど仕事中を例にしましたが、活用できる場面はたくさんあります。
活用例
- 自分も頑張ったが、他の人が褒められていたとき
元の思考:「私もほめて欲しい!」「あの人だけずるい」
→リフレーミングを活用:「あの人は小まめに上司に報告していたから、褒められる機会が多かった」「自分もできる範囲で頑張った。褒められなかったからダメなのではない」
- 新しい仕事を任されたとき
元の思考:「私にできるのか」「あの人の方がいいのでは?」
→リフレーミングを活用:「いい経験ができる」「挑戦するチャンスをもらえた」
- 担当する仕事が別の人と入れ替わった
元の思考:「担当を外された」「上司に嫌われているんだ」
→リフレーミングを活用:「適材適所、この仕事の方が私にはあっているのかもしれない」「この仕事はあの人が苦手としていたのかも」「上司も色んな経験をしてほしいのかも」
具体的な身につけ方
活用場面は分かったけど、リフレーミングをすぐに活用できるようになるかというと、難しいかもしれません。
まずは「リフレーミング辞典」を見てみること、色んな視点に触れることで、視野を広げるところからはじめてみましょう。
リフレーミング辞典
リフレーミング辞典とは、短所を長所に言い換えるための見本となる言葉が書かれている物です。
リフレーミング辞典という書籍・辞典があるのではなく、「リフレーミング 辞典」と検索すると様々な人がまとめたものが載っていますよ。
例えば…
・飽きっぽい→好奇心旺盛
・落ち込みやすい→真剣に考える
・意見が言えない→争いごとを好まない
・頑固→責任感がある、芯が強い
・地味→控えめ、穏やか
短所を長所に言い換えられるようになることで、意識的に前向きな思考へと考え方が向かいやすくなります。
また、色んな視点に触れる方法としては、本を読むことやセミナーなどに参加してみることがおすすめです。
リフレーミング:まとめ
リフレーミングは、物事を根本から意識が変わっていく方法です。
一時しのぎでははく、根拠をもって考えることで自然に自分を否定する考え方が減っていくでしょう。
リフレーミング辞典や書籍、セミナーなどでも効果的に身につけられますが、より自分の普段の生活に活用できるようにしたい人はカウンセリングや就労移行支援事業所の相談窓口などで専門家と話しながら考えてみるのもおすすめです。