日ごろからサポートしてくれる親にはもちろん感謝しているけれど、自分らしく自立して生活したいと思うことありませんか?
将来を考えると障害者グループホームも気になるけれど、入居できるの?かかる料金はどのくらい?と不安な方もいるかもしれません。
今回は障害者グループホームの概要と入居条件、費用についてわかりやすく解説します。
今後を見すえて、多彩な選択肢を持っておきたいあなたは、ぜひ最後まで読んでくださいね。
障害者グループホームとは共同生活援助のこと
障害者グループホームとは、共同生活援助を指します。親元を離れ地域で普通に暮らしたい気持ちを汲み取り、支援を受けながら少人数で住む場所です。
公営住宅や一戸建て、アパート、マンションなど様々ですが、施設とは違い家庭的な雰囲気や住居環境を大事にします。障害者グループホームは必要な設備や職員配置などの基準をクリアし、自治体の認可があり安心です。
夜間は、スタッフが泊まり込みで対応する場合もあります。金銭面の管理や食事、入浴、排泄のサポート、日常生活の介助などをする、様々な職員で成り立っているのです。
運営は株式会社や特定非営利活動法人、社会福祉法人などの民間が担っています。障害者総合支援法に基づき提供される、サービスの1つです。
障害者グループホームの入居条件
障害者グループホームの入居条件を見ていきましょう。
障害者手帳がある点が入居条件
障害者グループホームの入居条件は、下記の障害者手帳を持っていることです。
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
- 身体障害者手帳
上記手帳を保持し、難病患者もしくは精神・身体・知的障害者に当てはまる場合に入居できます。
基本的に障害支援区分の判定済みであることが入居条件
原則1~6の障害支援区分を明確にし把握することをおすすめします。 入居条件に必須ではないものの、利用対象者が各グループホームで違うからです。
あなたにぴったりのケアを受けるためにも、押さえておいた方が良いでしょう。
身体障害者の方の入居条件は年齢が鍵
身体障害の場合、入居条件に年齢が入ります。 65歳未満の方が対象です。
もしくは65歳を迎える前日までに、障害福祉サービス(準じるサービスも含む) の利用経験がある人も入居できます。
障害者グループホームに入居期限は原則ない
障害者グループホームには、一般的に入居期限はありません。しかし各場所によっては期間が設けられていたり、更新料の支払いや延長の手続きが必要だったりします。
自治体次第では精神障害者対象のグループホームにおいて、入居期限3年が設定済みです。通過型といい、利用期間に制限のない滞在型と対局にあります。
障害者グループホームの費用
障害者グループホームでは、どのような費用がかかるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
障害福祉サービス利用料
障害者グループホームでの共同生活援助にあたって、利用料がかかります。他にも作業所(就労系サービス)やデイサービス(生活介護) を使う場合、費用が発生するのです。
利用料の1割を、自己負担します。しかし本人 (18歳未満の場合は、親の属する住民基本台帳の世帯)と配偶者の所得状況に応じ定められた最大を超えた額を、支払う必要はありません。
大多数の方は、無料か低額で利用できます。
【月額の上限】
区分 | 世帯の収入 | 月の上限額(円) |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯※① | 0 |
一般1 | 市町村民税非課税世帯(所得割16万円未満)※② | 9300 |
一般2 | 上記以外 | 37200 |
①3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下
② 収入概ね600万円以下が該当。障害者グループホーム利用者で市町村市民税課税世帯の場合一般2に入る
障害者グループホーム利用中の費用(水道、光熱費、家賃、食費)
障害者グループホームの利用にあたって、下記費用が発生します。
- 食費
- 家賃
- 光熱費
- 水道代
施設と比べ、上限設定はありません。障害者グループホームによって、料金は違います。
水道・電気・食費
実際にかかった食材費や共用部屋の水道・電気代は、利用者数で頭割りです。個室の電気代は、自分で払います。
共用部屋と個室2つの合計となり、約2万円〜4万円です。
家賃
家賃は1万円未満の場合は実費を払います。
1万円以上の場合、生活保護や低所得の世帯向けに家賃助成金として月1万円が支給(特定障害者特別給付費)されるのでそれを一部として充てると良いでしょう。市町村ごとに上乗せの場合もあるため、確認を行いましょう。
またいずれにしても、年金の範囲内で暮らせる 料金設定の障害者グループホームがほとんどです。
作業所(就労系サービス)やデイサービス(生活介護)利用中の食材料費
日中の通所サービスでの昼食代は、食材料費以外の支払いはありません。厚生労働省のホームページによると、グループホーム利用者の場合 実費の約1/3負担です。
食材料費は、各所により設定金額が違います。
障害者グループホーム利用時にかかるその他の費用
その他は医療費など一部を除き、自己負担です。
成年後見人への支払い(目安0~2万円程度)
家族以外で専門職の方に成年後見人(法律上の手続きをサポートする人)を依頼した場合に、かかる費用です。障害者グループホーム入居に必須ではないものの、知的障害や認知症の方はホームからすすめられる可能性があります。
市区町村によっては助成金を受けられ、便利です。
知的障害者向け賠償責任保険(0~約2000円)
他者に怪我を負わせてしまったりホームや作業所の物品を破壊したりした際に、高額な賠償金が発生する恐れがあります。そんなときに使える保険です。
散髪代や嗜好品、 基本サービス以外の費用(数百円~数千円)
身だしなみに必要な散髪代や3食以外のジュースやお菓子などの嗜好品も、費用が発生します。個別に希望するレクリエーションの材料費なども、自費です。
グループホームによっては、訪問理容サービスがある場合もあります。
医療費や洋服代、趣味の費用、日用品費(0~数千円)
医療費は、障害者医療費助成制度で抑えられます。減額の割合は市町村によって違いますが、 無料の市もあるぐらいです。
洋服代はハイブランドにこだわったり体型が大幅に変化したりしなければ、びっくりするほどの値段にはなりません。雑誌やゲーム、運動など多趣味な方は費用がかかります。
トイレットペーパーやシャンプー、歯磨き粉などの消耗品は基本料金に含まれていることが多いですが、収納用品といった日用品費は自費が多いです。
まとめ:年金以外の収入があると生活にもゆとりができる
障害者グループホームは、施設と比べ費用はかかるものの障害基礎年金の範囲内で暮らせます。しかし家賃が高額な都心部は、自治体や独自の助成金で補填の必要がある可能性も否めません。
また医療費の確保や趣味、余暇活動、日中の外出で発生する食費や交通費などを考えると、お金はあるだけ有利です。 障害や体調を踏まえた仕事場の提供をする就労継続支援や一般企業への就職援助の就労移行支援などのサービスもあります。
有効活用し働けば収入分が上乗せされ、ゆとりある暮らしの実現も可能です。
全国の障害者グループホームでは事前に見学をすることも可能です。グループホームの雰囲気を感じ取り自分に合うかチェックをしたり、詳しい説明を受けたり相談することもできるためまずは見学を行うことをおすすめします。