【発達障害】嫌な記憶がフラッシュバックするってホント?対処法は?

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発達障害 フラッシュバック
  • フラッシュバックによって、強い不安や恐怖を感じることがある・・
  • 嫌な記憶を頻繁に思い出すため気持ちが落ち込む・・
  • フラッシュバックを回避するために、自分の行動を制限している・・

発達障害をもつ人の中には嫌な記憶が残りやすく、ふとしたときにフラッシュバックして辛いと感じる人がいるでしょう。

発達障害の特性として気持ちの切り替えが難しく、記憶のメカニズムが違うことからもフラッシュバックしやすい傾向にあります。

適切な対処法を知らなければ、思い出したくなくても嫌なことを思い出してしまい気持ちがどんどんしんどくなっていくかもしれません。

そこで、この記事ではフラッシュバックしたときの対処法を紹介します。発達障害との関係性も解説しているので、最後までご覧ください。

この記事を書いた人

公認心理師のサイトスです。

現在は複数の企業でメンタルヘルス関連の研修やカウンセリングを行っています。仕事を継続することに困り感のある方と一緒に、一人ひとりに合った働き方を考えサポートしています。

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発達障害とフラッシュバックの関係性

発達障害は先天的な脳の偏りによる障害で、記憶の仕方が違うことからフラッシュバックが起きやすいといわれています。

記憶のメカニズムが定型発達と異なるため、嫌な記憶が映像のように鮮明に思い出されてしまうからです。

定型発達だと過去のことを「出来事」として記憶しています。学生時代に文化祭があった、旅行で海外へ行ったというように言葉として記憶しているのが定型発達です。

対して発達障害の記憶は「映像」。

まるで映画のように過去の出来事が蘇ります。

そのため、嫌な記憶やトラウマが鮮明にフラッシュバックされやすいのです。

また、フラッシュバックしやすいのは記憶の仕方だけではありません。発達障害はその特性から社会で生きづらくなり、トラウマを受けやすい環境下にあります。

コミュニケーションが上手くとれなかったり、多動性や不注意が起こりやすかったりすることから嫌な経験をした人もいるでしょう。

そういった日常的なストレスが原因で自己嫌悪に陥り、ささいなことがきっかけで過去の辛いことを思い出してしまいます。

もちろん、定型発達でもフラッシュバックを経験した人は多くいるはずです。しかし、発達障害は嫌な経験や記憶を多く持っています。

さらに映像として記憶することから、フラッシュバックしたときのダメージは当時と同じ大きさです。

嫌な記憶を思い出す頻度が多く、記憶も色褪せていかないためフラッシュバックしやすくなります。

発達障害の人が嫌な記憶がフラッシュバックしやすい3つの理由

フラッシュバックしやすい

発達障害は脳のメカニズム的にも、フラッシュバックしやすいということをお話してきました。

ここからは、もう少し詳しく、発達障害が嫌な記憶を思い出しやすい理由を解説していきます。

1.発達障害の特性によるもの

発達障害は特性によって生きづらさを感じやすく、定型発達よりも嫌な経験を多くしている傾向にあります。

周りの人と少し違う、上手くなじめないといったことからいじめなどの二次障害へつながりやすくなるからです。

発達障害の特性にある対人コミュニケーションの欠如や、悪気ない発言は周囲の反発をかう可能性があります。

そのため、何かトラブルが起きると自分に原因があると思い込んでしまう人もいるでしょう。

周りから叱責を受け、否定的な体験を積み重ねることで、嫌な思い出はどんどん蓄積されていきます。

さらに、発達障害の特性にあるのが優れた記憶力です。定型発達の人がぼんやりと覚えていることでも、鮮明に思い出せてしまいます。

このようなさまざまな特性が、フラッシュバックを起こしやすい状態を引き起こしているのです。

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2.記憶として深く刻みこまれている

記憶を思い出す機会の頻度が高い、または強い印象のある出来事はフラッシュバックしやすくなります。これは発達障害に限らず、定型発達でも同じです。

例えば学生時代の思い出に残っていることは何かと聞かれたら、どんなことを思い浮かべますか?部活での大会や修学旅行などのイベントを思い出すのは定型発達に多い傾向です。

一方で発達障害者はイベントに対する関心が薄いため、記憶としてあまり定着していません。

そのため、その当時興味があったことや嫌な思い出の方をよく覚えているのです。深く刻みこまれた思い出は、何かをきっかけにフラッシュバックすることがあります。

発達障害はフラッシュバックする嫌な出来事を思い出す機会が多いといえるでしょう。

3.記憶をコントロールする力が弱い

発達障害の特性に手先や運動面の不器用さがあげられますが、同時に思考のコントロールも苦手です。

特に自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性がある場合、何かを思い出すとそれ以外のことを考えられなくなってしまいます。

思い出したことで頭がいっぱいになり、切り替えが難しくなってしまうからです。もしその記憶がフラッシュバックの対象だったら、より強く思い起こすことでその考えから抜け出せなくなるでしょう。

定型発達だと何かを思い出しても、仕事や今していることに集中できます。しかし発達障害は気持ちの切り替えが難しいため、上手くシフトチェンジできないのです。

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フラッシュバックしたときの対処法

フラッシュバック 対処法

フラッシュバックは自分でどうにかして止められるものではありません。しかし、嫌な記憶が思い出されると辛い気持ちになってしまいます。

そこで、フラッシュバックしたときの対処法を3つまとめました。過去の記憶は忘れようとすればするほど、忘れられなくなってしまいます。

どうしようもなく苦しくなったときには無理せず、専門機関へ受診してみましょう。

周りの環境を調整する

本人を取り巻く環境が発達障害の特性を正確に理解することで、フラッシュバックへの予防につながります。

発達障害といっても人によって特性が違うため、それぞれに適した対応で記憶の強化をしないようにする必要があるからです。

フラッシュバックに関連した記憶や刺激を環境からなくす、または睡眠や休憩を挟んで思い出せないようにしましょう。

そのためには周りの理解と配慮が必要不可欠。本人もフラッシュバックに関して、あらかじめ周囲に伝えておくことが大切です。

薬物治療をおこなう

適切に薬物治療をおこなえば、数週間で効果が得られる場合があります。薬の種類としては主に抗精神病薬、一部では抗てんかん薬などが使用されることが多い傾向です。

それぞれ症状と服薬に関しての効果が異なるため、医師と相談しながら調整していく必要があります。

ストレスを軽減させる

本人がもっとも取り組みやすい方法がストレスを溜めこまないことです。ストレスレベルが高いと、フラッシュバックが起こりやすくなってしまいます。

新しい趣味を見つけたり、新しい目標をつくって勉強を始めたりして不安を感じないような状況を作りましょう。

特にADHDの特性があると、頭の中が常にいろいろなことでいっぱいになります。そこへストレスが乗しかかると、パンクしてしまい夜も眠れなくなるかもしれません。

そんなときは日常を振り返る意味でも、日記を書くことで考えが整理できてスッキリできるでしょう。

まとめ

発達障害はその特性と記憶のメカニズムの違いから、フラッシュバックをよく引き起こしてしまいます。

嫌な記憶が思い出されるのは、誰だって辛いもの。ましてそれが頻繁に起こると、心も苦しくなるでしょう。

ストレスを溜め込まず、日記などを書いて頭の中を整理するなど自分ができる対処をしていくことが大切です。

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