こんにちは ピアトスです。
発達障害とうつ病で障害者手帳を取得し、現在は障害者雇用で正社員として働いています。
僕は自分が発達障害であることに気づくまでにも時間がかかりましたし、二次障害のうつによりなかなか前に進めない時期もありました。
そんな僕でも現在は多くの人の支援を受けながら就労に結びつくことができ、やりがいをもって働いています。
障害のある当事者として社会生活を送る中で強く感じる課題は
・障害者の就労に関する新しい情報が当事者に届きにくいこと
・就労の場がかなり限定され職種を選ぶことができないこと
・経済的な困窮から抜け出す機会が少ないこと
これらに対して今僕が出来るのは情報を発信することしかありませんが、全国には障害福祉の課題に真摯に取り組んでいる企業が多くあります。
その中から今回は、農福連携をテーマにしたグランピング施設『かいづか いぶきヴィレッジ』を紹介したいと思います。
ひとりでも多くの方に情報が届くようしっかり調査したいと思います。
農福連携ってなに?
簡単に言えば、「農業分野×福祉分野」のコラボレーションです。
政府は平成 28 年のニッポン一億総活躍プラン、令和元年の農福連携等推進ビジョンによって農福連携の推進を行っており、少しずつではありますがそのすそ野が広がってきています。
では、農福連携により障害のある方が農業分野で活躍することはどんな良い点があるのか詳しく調べていきたいと思います。
農福連携によって障害者が得られる効果
その① 就労の機会を得られる
障害者総数約964万人中、18歳~64歳の在宅者数約377万人のうち実際に就労しているのは約94万人。
働きたい気持ちがありながらも就労に結びつかない人が多いことがわかっていますが、その大きな理由の一つに特性等に応じた活躍の場がないことがあげられます。
農業は作業を細分化しやすく、さらに作業方法を工夫することで障害の特性に合わせた就労の機会を創り出すことが可能です。
その② 就労訓練になる
JA共済総合研究所が行った「障害者福祉事業所等による農業活動への取り組み」のアンケートによると農業に携わることで以下のような効果が出ていることがわかりました。
自然との触れ合いによって癒しを感じたり程よい労働で夜ぐっすり眠れるといった精神的、身体的な効果だけでなく、就労訓練として最も効果が感じられているのはすごいですね!
規則正しい生活や人とのコミュニケーション、仕事へのやりがいをもつことを経験し、一般就労へとつながることも多いそうです。
その③ 工賃アップが期待できる
障害者を受け入れた農業者は、労働力の確保や作業の見直しによる効率化などにより78%が売り上げが上がったと回答しています。
同様に農業に取り組んだ福祉事業所においても農業への取組により良い効果があったと89%が回答し、58%が5年前と比較して売り上げ上がったと回答しました。(引用:農林水産省 農福連携の推進)
これらの売り上げアップは障害者の工賃向上にもつながっています。
農福連携によって農業分野が得られる効果
その① 労働力不足の解消
みなさんは農業従事者数が2010年は240万人、2015年には175万人、2020年は136万人と大幅に減少している現状をご存知でしょうか。(引用:農林水産省 農業労働力に関する統計)
さらに2021年の農業従事者平均年齢は67.9歳と高齢化も進み、農業分野での労働力の確保は深刻な問題となっています。
就労の機会を求めている障害者福祉の分野と深刻な労働力不足を課題としている農業分野のとの連携は問題解消に大きく期待されています。
その② 農地の維持・拡大
農業従事者の減少、高齢化に伴って、農地として使われない土地が増えてきています。
農地の減少の弊害は農業生産が減ることにとどまりません。
・たん水機能(水田などの水を貯める機能)がなくなる
・害虫発生による周辺農地への被害
・農村集落の過疎化
・地域資源の維持管理継続への支障
・農地への廃棄物の不法投棄
農福連携によって、農業の担い手が増えればこれらの弊害を防ぐことができるでしょう。
その③ コミュニティの活性化
現在、農業の担い手が減り、過疎化していくことによりコミュニティの衰退化が起こっています。
地域コミュニティは、地域で生活を営む基盤であり、地域の安全や安心の確保にもつながる大きな役割をもっています。
農福連携により就労支援事業所や障害をもつ方々が地域のネットワークに加わることで、新しい地域コミュニティがうまれ活性化していくことが期待できるのです。
ここまで農福連携がもたらす効果について説明してきました。
次はいよいよ、「かいづか いぶきヴィレッジ」開業の経緯について見ていきたいと思います。
SDGs LABOって?
かいづか いぶきヴィレッジの広大な土地は、もともと2004年に都市と農村が交流する「農業庭園」として整備されたものでしたが、指定管理者制度導入により新しく2022年3月より「かいづか いぶきヴィレッジ」へと生まれ変わりました。
ではかいづか いぶきヴィレッジを運営している「一般社団法人 SDGs LABO」はどんなところなのでしょうか?
関西に4店舗、パリに1店舗のレストラン経営をはじめ、ブライダル事業、レストランプロデュース、人材派遣業等を経営しているオーナーシェフ黒岩功氏が代表がつとめるFUKUROと、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を受賞し「働きがいのある会社ランキング」に7年連続ベストカンパニーに選ばれている一級建築士森本 尚孝氏が経営する三和建設。
SDGs LABOは、FUKUROと三和建設の異業種の2社の共同活動のひとつとして誕生しました。
黒岩氏は、就労移行支援、就労継続支援等の福祉事業所や障がいのある人がそれぞれの特性を生かして働ける「ユニバーサルレストラン」の経営など、障害をもつ方たちと共に働いてきた実績があります。
森本氏もまた障害の有無にかかわらず働き続けるための配慮や環境整備を行ってきました。
そんなお二人がタッグを組んだSDGs LABOが運営する「かいづか いぶきヴィレッジ」に注目が集まるのは当然のことといえるかもしれません。
>>>>【専門職が選ぶ】おすすめの就労移行支援事業所ランキングはこちら
農福連携にとどまらない かいづか いぶきヴィレッジ
贅沢な自然の恵みたっぷりの約12万平方メートルの広大な敷地の中にある「かいづか いぶきヴィレッジ」は、グランピング施設だけでなく、フレンチレストラン、農園、バーベキューサイト、キャンプ場、温泉、農産物直売所等の複合施設となっています。
農福連携において農業生産だけの事業所よりも加工・飲食事業に取り組んでいる施設の方が売上も高く工賃アップにつながっているというデータもあります。(引用:農と福祉の連携についての調査研究報告 )
障害のある方々が複合施設のあらゆる場で活躍できるといいですね!
かいづか いぶきヴィレッジで体験できること
7つの体験
- グランピング
- BBQ&キャンプ
- 収穫体験
- 貸農園
- カフェ・レストラン
- 直売所
- 温泉
なんと!かいづかいぶきヴィレッジでは7つの体験ができるんですよ
①グランピング
グランピングとは、グラマラス(豪華な)とキャンピングを合わせた略語で、自分でキャンプ道具を用意する必要がなく、さらに快適で非日常を味わえる贅沢なアウトドアレジャーといえます。
幻想的なドームテント
絵本の世界のようなベルテント
かいづかいぶきヴィレッジでは17棟のテントが用意され利用人数や好みのスタイルに合わせてグランピングを楽しむことが出来ます。
テント内はすべて冷暖房が完備されているので、小さなお子さんが一緒でもご家族で安心して利用することができますね。
さらに、自慢なのは素敵な設備だけではありません。
『自然を食べる』というコンセプトの大自然の恵みを感じることのできるコース料理を楽しむことが出来るんです。
サイコー以外の何物でもないですね。いつか泊まってみたいです。
②BBQ&キャンプ
広大な敷地のバーベキューエリアでは30の窯が用意され、気軽に自然の中でBBQを楽しむことが出来ます。
BBQに必要なものは全てレンタルでき、新鮮な野菜やブランド肉なども調達できるので手ぶらでもOK!
またテントを持ち込めばキャンプサイトとしても利用できます。
③収穫体験
収穫体験では現地に住むスタッフが地元の農家さんと連携をしながら丹精込めて育てた野菜や果物を収穫することができます。
季節ごとに収穫できる作物も違うので、何度も収穫体験に行きたくなりますね。
農業を介して農家とスタッフ、収穫を楽しむ人たちがつながるのも嬉しいです!
④貸農園
かいづか いぶきヴィレッジの貸農園の広さは、1区画あたり60㎡とかなり大きいのが特徴です。レンタル料は1か月6000円となっています。
これだけの広さがあれば季節ごとにたくさんの作物を育てることが出来そうです。それぞれの区画に車を横付けできるスペースがあるので、作業もしやすいですよね。
定期的に通うのが難しそうな方には作物の管理を頼める月額15,000円の管理付プランもあるので安心です。
収穫を楽しみに管理をお任せし、時期をみて収穫し採れたての作物をBBQで楽しむ!なんていう贅沢が出来るのもかいづかいぶきヴィレッジならではの体験です。
⑤カフェ・レストラン ファームダイニングさくらの樹
三つ星レストランで修業を重ねたシェフであり、このかいづかいぶきヴィレッジの運営を行う『SDGs LABO』の代表でもある黒岩氏がレストランの料理を監修しています。
洋食とフレンチを融合させたメニュー。
【グリルモリタの伝統のデミグラスソースを使用したハンバーグ】
【大阪ル・クロスペシャリテ とろけるような牛ほほ肉の赤ワイン煮込み】
どちらもいぶきヴィレッジの季節の野菜が添えられたメニューとなっています。美味しそうですね。
⑥直売所
直売所には毎朝採れたての野菜が並びます。
地元の農家さんが愛情込めて育てた作物を直売所に届けているので、美味しい食べ方や作物の育て方のアドバイスなんかも聞けちゃうかもしれませんね!
鮮度の高い野菜を安く購入できるのは嬉しいですよね。
⑦かいづかいぶき温泉
かいづかいぶきヴィレッジから車で5分の場所にある小学校の跡地の温泉施設「旧:ほの字の里」をリニューアル。オートキャンプ場を併設し「かいづか いぶき温泉」がオープンしています。
ナトリウム炭酸水素塩泉のアルカリ性の天然泉。
神経痛や筋肉痛に効果があるほか美人の湯とも言われているそうですよ。
かいづかいぶき温泉
【営業時間】 AM10時~PM9時 火曜定休
【入浴料】 大人1,000円(貝塚市民800円)小人500円(貝塚市民400円)家族風呂4,000円(1時間)
オートキャンプ
1区画11,000円(平日)14,300円(休前日・ハイシーズン)電源有1区画約200㎡
7つの体験 全部試してみたくなりますよね!
ユニバーサルスタッフ随時募集
かいづかいぶきヴィレッジで働くメンバーをユニバーサルスタッフとよんでいるそうです。
スタッフとキャストで構成されているユニバーサルスタッフ。
キャストとは何らかのハンディを持っているメンバーさんのこと。
福祉の支援員のサポートを受けながら、共にいぶきヴィレッジの中で働いています。
かいづかいぶきヴィレッジでは、障害のある人も農業や施設の維持・整備だけでなく、飲食店での調理や接客サービスなど幅広い業務に従事していく予定とのこと。
興味のある方はぜひSDGs LABOに問い合わせてみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回の記事では
・農福連携とはなにか?
・SDGs LABOの活動の理念
・かいづかいぶきヴィレッジ
について紹介しました。いかがでしたでしょうか?
就労三銃士もSDGsLABOさん同様、障害のある人が自分の興味のあること、やりたい仕事にチャレンジができるように、自分たちにできることをこれからも考えていきたいと思っています。
ココ!