この記事では、就労支援サービスを利用するために必要な「受給者証」とは何か?
そしてその受給者証を取得するためにはどうしたらよいか? について書いていきたいと思います。
”申請手続き”って色々なところに出向いてたくさんの書類を用意しなくちゃいけなかったりして正直面倒くさいし、
時には窓口で素っ気なくされたりして申請する途中で挫折しません?
僕はそうです・・。
なのでそんな僕でもできるようにできる限りわかりやすく受給者証の申請方法について書いていきたいと思います。
障害福祉サービス受給者証とは?
就労移行支援を受けて現在企業で正社員として働いているピアトスです。
発達障害により会社の人間関係につまづいてうつ病になり、もうまともに働くことなんて無理かもしれないと引きこもっていた時期もありました。
障害を持ちながら就労を前向きに考えていらっしゃる方の役に立つ情報を少しでもお伝えできたらと思っています。
僕の転機となったのは自分に合った就労移行支援事業所を利用することができたことです。
僕を救ってくれた就労移行支援などの障害福祉サービスを利用するには「受給者証」が必要になります。
受給者証には、障害福祉サービスの内容や支給量などが記載され、利用者はこの受給者証に基づいてサービスを受けることになります。
障害福祉サービスの種類は?
障害福祉サービスは、介護の支援を受けることができる「介護給付」と、訓練等の支援を受けることができる「訓練等給付」にわかれます。またこれ以外に医療費の支援を受けることができる「自立支援医療制度」などがあります。
障害福祉サービスの利用料は?
障害福祉サービスのは「単位」として計算します。
基本報酬費(単位)を金額に換算し、そのうちの1割が利用者負担金となりますが、この定率負担が過大なものとならないように所得に応じて1月当たりの負担限度額が設定されています。
自己負担は、所得に応じて次の4区分の負担上限月額が設定され、ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じません。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)。 | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
受給者証と障害者手帳は別物です
受給者証とは正式には「障害福祉サービス受給者証」と言い、障害福祉サービスを利用する際に必要な各市区町村より交付される証明書です。
障害のある人が就労支援サービスである就労移行支援や就労継続支援A型・B型、就労定着支援などの制度を利用するにはこの障害者福祉サービス受給者証を用意する必要があります。
障害者手帳と間違えられることもある受給者証ですが、全くの別物なんです。
障害者手帳・・・医師の診断により障害の等級を定めるもの
受給者証・・・・各福祉サービスに利用するために必要な許可証
障害者手帳を持っている方でも就労支援サービスを受ける時には受給者証の申請が必要になりますし、また手帳をお持ちでない方でも受給者証の申請をすることができます。
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障害福祉サービス受給者証 申請方法
就労支援サービスの給付を申請し、受給者証をもらうまでの流れは下記のようになっています。
①利用の申請
受給者証の申請窓口は、サービス利用者が居住している市区町村の障害福祉課や障害保険福祉課などの福祉を担当する課です。
申請に必要なもの
必要なものをチェック
- 印鑑
- 申請者の氏名や住所が確認できるもの
- 障害や疾患が把握できるもの (障害者手帳、自立支援医療受給者証、障害や病名が確認できる医師の診断書・意見書)
申請する市区町村によって多少異なることがあるかと思いますが、必要なものが揃ったら「訓練等給付費支給申請書」と呼ばれる書類を記入して提出します。
②認定調査
申請書類を提出後、後日担当職員による認定調査が行われます。
認定調査とは申請先の市区町村が適切なサービス提供ができるよう、利用者から聞き取りや、身の回りの調査を行い、健康状態や就職に向けた意欲など、意向や環境の把握を行います。
認定調査は特別な事情がなければ主に市区町村の窓口にて行われることが多いです。
- 移動や動作等に関連する項目(12項目)
- 身の回りの世話や日常生活等に関連する項目(16項目)
- 意思疎通等に関連する項目(6項目)
- 行動障害に関連する項目(34項目)
- 特別な医療に関連する項目(12項目)
合計80項目の選択式のアンケートに沿って質問があり、それに答えていくかたちになります。
どの障害の人にも同じ質問となっていますので、中には自分には該当しないような質問もあるかと思いますが、現状をそのまま伝えましょう。
③サービス等利用計画案の作成と提出
認定調査が終了すると、自治体よりサービス利用計画案の作成と提出を求められます。
この計画案は利用者本人または指定特定相談支援事業者が作成して提出します。
例えば、就労移行支援事業所を利用する場合、どの位の期間でどのような就職を目指すのか、「サービス等利用計画」「セルフプラン」のどちらかを作成し提出することになります。
④暫定支給の決定
サービス等利用計画案が確認されると、1~2週間後に有効期限が2か月の暫定の「障害福祉サービス受給者証」が送られてきます。
この期間に実際にサービスを体験し、計画したサービスが適切であるかどうか判断をすることになります。
支援の内容を変更したり追加したりする場合はこの期間に行います。
実はこの暫定期間は利用者にとっても事業者にとっても重要な期間なんです。
就労移行支援事業所のプログラムに魅力を感じ、事業所の雰囲気も気に入って利用を決め、暫定期間での利用まできたけれど、どうもしっくりこない・・・。
もちろんそんなこともあると思います。
まずは面談で自分の就職に対するイメージや考え方をあらためてしっかりと伝えてみましょう。
僕は手帳の取得もしていなかったので、資格を取って一般枠での早期就職を目指していたのですが、今思えば理想と現実に大きな差があったように思います。
次のステップである個別支援計画の作成に向けて、この暫定期間中に何度も面談の機会を持ち、強みや課題を再度整理できたことがその後の就労につながったのだと思います。
また、まだ目標が定まらず何をすればよいのか分からなく、具体的な相談がしにくいといった方もいるでしょう。
そんな時にはこの期間に話しやすいスタッフの方を探しておくといいかもしれません。
担当の方以外にも安心できるスタッフの方がいると行き詰った時に頼りになりますし、自分の体調の変化などにも気づいてもらいやすくなります。
就労移行支援は一生のうちにたった2年しか使えないサービスなので、就労に向けてしっかりと結果が出せるようにできることから始めてみましょう。
(ちなみに原則として暫定期間も就労移行支援制度の標準利用期間2年間に含まれます。)
⑤個別支援計画の作成
暫定期間でのサービス利用の様子をふまえて、指定特定相談支援事業者が個別支援計画を作成します。
事業所での支援はこの個別支援計画をもとに行われるため、暫定期間中の支援内容に修正があれば調整を行ってくれます。
将来の目標や課題、課題解決のプロセスなどが記載され、利用者と支援者が共有しながら実際の支援が行われます。
⑥支給決定と受給者証の交付
個別支援計画が受理され支給が決定したら、サービスの内容が申請者に通知され、受給者証が交付されます。
自治体によっては多少の差がありますが、申請から本支給までは1~2ヵ月ほど要します。
障害福祉サービス受給者証の申請手続き まとめ
受給証取得までなんだかとっても遠い道のりのような気がしませんか?
でも安心してください。サポートしてくれる方がいるんですよ。
僕は役所の窓口での手続きがとても苦手です。
なぜかというと窓口の人の説明を理解して、その場で判断して、書類に記入してという一連の流れに時間がかかってしまうからです。
さらにまわりに人がいっぱいいるざわついた環境の中で話に集中することもできません。
そもそも、手続きに必要な書類をもれなく全て揃えるのが苦手・・(笑)
そんな僕でも無事に申請手続きができたのは、先に利用したい就労移行支援事業所を決めていたからです。
必要書類の確認はもちろん、現況の聞き取りに対する受け答えについてのアドバイス、さらには窓口への同行もしてくれました。至れり尽くせりです。
事業所を決める前に手続きを始めることも可能ですが、断然こちらの方が近道です。
就労移行支援サービスの利用を検討されている方は、まずはいくつかの事業所に見学に行き相談してみることをオススメします。