
はじめまして、精神保健福祉士・社会福祉士のメントスです。
私はこれまで、就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)で、障害をもつ方の就労支援に携わってきました。
この記事では、
「就労移行支援に興味があるけれど、わからないことだらけで不安……」
という方に向けて、見学・申し込み前によくある質問にお答えしていきます。
少しでも、あなたの不安を和らげるお手伝いができたらうれしいです。
よくある質問
Q1. 就労移行支援ってどんな人が利用できるの?
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害のある方が利用できる福祉サービスです。
対象となるのは、たとえば次のような方です。
- 精神障害、発達障害、身体障害、知的障害、難病などのある方
- 障害者手帳を持っている方(※手帳がなくても利用できる場合もあり)
- 就職を目指している方
就労経験の有無に関わらず、支援を受けながら自分に合った働き方を探していく場所です。
実際、私が支援していた現場では、
- 「長年自宅で過ごしていたけれど、もう一度社会に出たい」とチャレンジを決めた40代の方
- 「アルバイト経験しかなかったけれど、正社員として働きたい」と新しい目標を立てた20代の方
など、年齢も背景もさまざまな方が通われていました。
就労移行支援は、これまでの経歴や今の状況に関係なく、”これから働きたい”という気持ちを大切にサポートしてくれる場所です。

「働きたいけど、何から始めたらいいかわからない」という方も、安心して相談してみてくださいね。
Q2. 利用にあたって障害者手帳は必要?


結論から言うと、手帳がなくても利用できる場合があります。
- 主治医の診断書や意見書で支援が必要と認められる場合
- 発達障害や精神疾患の診断は受けているが、手帳がまだ申請中の方
など、状況によって柔軟に対応されるケースもあります。
自治体や事業所によって異なるため、まずは希望する事業所に相談してみてください。



大切なのは、「手帳の有無」ではなく、あなたに必要な支援が届くかどうかです。
Q3. 費用はどれくらいかかるの?無料でも使える?


ほとんどの方が、**自己負担なし(無料)**で利用されています。
就労移行支援の費用は、行政が負担するしくみになっており、
- 生活保護世帯・低所得世帯 → 0円(無料)
- その他の方でも、多くが月額0〜数千円程度
というのが実情です。
ただし、昼食代や交通費は自己負担になる場合があるので、事前に確認しておくと安心ですよ。
Q4. 見学には何を持っていけばいい?服装は?
持ち物も服装も、気負わなくて大丈夫です。
- 持ち物:筆記用具・メモ帳
- 服装:普段着でOK(清潔感があれば十分)
特別な準備は必要ありませんが、事業所によっては「体験活動」が含まれることもあるため、動きやすい服装だとより安心です。



申し込み時に「服装について」一言確認しておくと、なお良いですね。
Q5. 見学したらすぐに申し込まないといけない?
いいえ、見学したからといって、すぐに申し込む必要はありません。
見学は「自分に合うかどうか」を見極めるためのもの。焦らず、じっくり考えてから決めましょう。
違和感を覚えた場合は、無理に申し込まなくて大丈夫。
長く通う場所だからこそ、「ここなら続けられそう」と思える場所を選んでくださいね。
実際に私が支援していた中でも、「最初に見学した事業所に勢いで申し込んだけれど、通い始めてから『思っていた雰囲気と違った』と悩んだ方」がいらっしゃいました。
そんなときも、事業所を変更することはできますが、できれば最初から自分に合った場所をじっくり選ぶことが、長く安心して通うためのポイントです。
Q6. 複数の事業所を見学してもいい?


もちろんです!
複数の事業所を見学することは大切なプロセスです。
事業所によって支援内容や雰囲気は大きく異なります。実際、多くの方が2〜3か所を見比べて、自分に合った事業所を選んでいました。
比較することで、「ここなら自分に合いそう」と感じるポイントが見えてきますよ。
Q7. 就労移行支援を使ったら必ず就職できるの?
残念ながら、必ず就職できるとは限りません。
ですが、就労移行支援では、
- 自己理解やスキルアップ
- 職場体験や実習
- 応募書類の作成サポート
- 面接練習
など、ひとりでは難しいステップを支援してもらえます。
私が支援していた現場でも、「一人で就活していたときより、ずっと安心できた」という声がたくさんありました。



大切なのは、焦らず自分に合った環境でチャレンジすることです。
おわりに
就労移行支援に興味を持つと、たくさんの不安や疑問が出てくると思います。
でも、それはとても自然なことです。
この記事が、少しでも不安を軽くしたり、「一歩踏み出してみようかな」と思えるきっかけになったらうれしいです。
そして、迷ったときは、ぜひ気になる事業所の見学から始めてみてくださいね。
きっと、あなたに合った場所が見つかるはずです。
小さな一歩でも、それはとても大きな前進です。
「今の自分で大丈夫かな」と不安に思うことがあっても、歩き出す勇気が、これからの未来をつくっていきます。
見学時に押さえたいチェックポイントについてもご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。



あなたの一歩を、心から応援しています。