発達障害とうつ病の診断から精神障害者保健福祉手帳を取得しています。
今日は渋谷にオープンしたLGBTQ等にフレンドリーな就労移行支援の事業所【ダイバーシティキャリアセンター】について書いていきたいと思います。
LGBTQやダイバーシティに関する解説だけでなく、ダイバーシティキャリアセンターでの支援や東京・渋谷にオープンしたねらいについて解説していきます。
LGBTQとは
人の性( セクシュアリティ)は以下の4要素が組み合わさりながら構成されています。
・身体の性(生物学的性/身体的特徴):Sex
・性自認(性同一性):Gender Identity
・社会的性/表現する性:Gender/Gender Expression
・性的指向(性的欲求/恋愛感情):Sexual Orientation
LGBTQはセクシュアリティの組み合わせでできる枠組みです。
L:レズビアン(女性が好きな女性)
G:ゲイ(男性が好きな男性)
B:バイセクシュアル(女性と男性どちらも好きな人)
T:トランスジェンダー(出生時の性別と性自認/性同一性が一致しない人)
Q:クエスチョニング(性自認/性同一性や性的指向が決まっていない人)、クィア( セクシュアリティの枠組みには当てはめず、性自認や性的指向を肯定的、包括的に捉える人)
セクシュアリティのあり方は多様で、LGBTQには上記で紹介した セクシュアリティ以外にもさまざまな セクシュアリティがあります。
ダイバーシティとは
「ダイバーシティ」は英語で多様性を指し、多様な人が活躍できる環境をつくることが、組織をより強くするという考えのことです。
多様性には、以下のようなさまざまなことが含まれています。
多様性の例
- 年齢
- 性別
- SOGIE(性自認/性的指向/社会的性/身体的特徴)
- 国籍
- 人種
- 民族
- 障害の有無
- 価値観
- 宗教
- 仕事観
- 教育(学歴を含む)
- 役職
多様な人が活躍できることが、組織内の競争力を高め、より良い組織で活動できることにつながっています。
ダイバーシティキャリアセンターが求められる理由
2022年の社会において、ダイバーシティキャリアセンターがどうして求められるのでしょうか?
メンタルヘルスケア
自身がLGBTQであることをカミングアウトして生活をする、働くかどうかについてはカミングアウトをする人達に権利があります。
けれどLGBTQの人の中にはカミングアウトをすることができずに
- 自分自身を抑圧して生きていくことについて辛く感じてしまう
- カミングアウトをしたが社会から自分自身を認めてもらえない
- ハラスメントやいじめ等によって心身にダメージを負う
など日常生活に支障を感じている人も少なくありません。
日本では多様な人が活躍できる環境がまだまだ整っていない現状から、生きづらさを感じる人の理解と支援の場が必要となってきました。
就労移行支援
ダイバーシティキャリアセンターを設立した、認定NPO法人ReBitが2021年5月行った調査「精神・発達障害がある性的マイノリティの求職活動に関する調査」では以下の調査結果が公表されています。
・精神/発達障害があるLGBTQの92.5%が、求職活動やキャリア形成について、性のあり方や障害に由来した不安や困難を経験
・障害や就労に関する行政/福祉サービスの利用経験があるLGBTQのうち76.8%が、行政・福祉サービス利用における不安や困難を経験
地域にある社会資源に支援を求める、自身1人で行動しようとすると困難や不安を感じる経験を受けることが多く、支援を受けたくても自身に合う支援を受けることができていない場合が多い現状が調査によって可視化されました。
次のステップに自分自身で歩むことができるようにダイバーシティキャリアセンターによる就労移行支援を必要としている人が多くいることがわかってきました。
求職時や働いている時に自身のセクシュアリティに関してハラスメント行為(SOGIEハラスメント)を受けてしまった、自分自身のセクシュアリティを活かした職場環境で仕事することができないという状況があります。
>>>>【専門職が選ぶ】就労移行支援目的別ランキング おすすめはズバリ ココ!
設立する認定NPO法人ReBitは企業や各種団体への研修講演活動を全国各地で行っています。
今までにできたつながりやノウハウを基に、ダイバーシティに富んだ様々な職種の人達や企業や団体と協働した就労移行支援を行うことが期待されます。
支援を受ける人だけでなく、企業や団体にダイバーシティ、多様性社会について知ってもらうことも支援実践のなかで求められます。
渋谷で設立するねらい
ダイバーシティキャリアセンターは渋谷区代々木に設立されます。
日本を代表するLGBTQコミュニティがある新宿二丁目がある新宿からも近く、東京都庁や東京レインボープライドの会場となっている代々木公園がある地域です。
渋谷区は2015年に日本で初の同性パートナーシップ制度を導入した自治体の1つであり、区としてもLGBTQにフレンドリーな街であるということも渋谷に設立した経緯の1つとして考えられます。
LGBTQである人達を対象にした就労移行支援を事業所として行うというケースは日本ではほとんどありません。
LGBTQに関する取り組みの中心地として、渋谷から支援の「声」を出していくことで将来的に日本全国へ支援のつながりを持ちたいという考えがあるのかもしれません。
まとめ
日本では今までほとんどなかった、LGBTQ等にフレンドリーな就労移行支援の事業所としてダイバーシティキャリアセンターがオープンします。