- クローズ就労って、法的に問題ないの?違法だとしたら、どんなリスクがあるの・・?
- クローズ就労がバレて職を失うこともあるのかな・・?
- 障害を隠して働き続けることで、むしろ自分のキャリアにマイナスになるかも・・
自分の障害を開示せずに働くことをクローズ就労といいます。クローズがいいのかオープンがいいのか・・悩む方も多いかと思います。
ちなみに僕はこれまでにクローズ就労で4回の転職をして現在はオープン就労で正社員として働いています。
この記事では、発達障害からうつ病を発症した僕が、実際にオープン就労(障害者枠)とクローズ就労(一般枠)を経験してわかったクローズ就労のデメリットについて書いています。
クローズ就労って違法ってホント?
クローズ就労とは障害者が障害があることを伝えず(クローズ)健常者と同じ働き方が求められる一般枠で働くということです。
一見すると違法性があるように思えるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか?
まずはクローズ就労が法的にどのように扱われるのか、そしてそれが違法行為とみなされる可能性があるのかについて考えてみましょう。
クローズ就労は違法なの?
障害の診断を受けた後、それを自ら申告せずに就職すること自体が違法となることはないと言っていいと思います。
法律上、障害を持っていることを明らかにする義務はなく、したがって障害を隠して働くこと自体が違法行為とは言えません。
障害者雇用促進法においても、障害を理由とした差別的な扱いは禁じられています。
ただし、面接の際に前職の離職理由を聞かれたり、転職の回数が多い場合などは健康面について質問されることが多いと思いますが、その際に虚偽の申告をして入職し、その後障害が発覚して解雇されたというケースはあるようです。
違法とはいかないまでもトラブルになってしまう可能性はあるということですね。
クローズ就労を選ぶときの注意点
クローズ就労を選んだ場合のリスクについて理解しておくことは重要です。
障害を隠して働くことで生じる可能性のある問題点と、それに対する対策を知っておきましょう。
問題点の1つ目は障害による作業上の制限や通院等の都合を職場に伝えにくいという点です。これにより、自身の健康管理や作業効率に影響を及ぼす可能性があります。
2つ目は障害を開示しないことによる労働条件や待遇についてのデメリットもあるということです。障害を開示しないことで、障害者としての権利や配慮を受けられない可能性があります。
3つ目は、障害が後から明らかになった場合の雇用保護についても理解しておくことが重要です。
障害が明らかになったからといって、解雇されることは法的には認められていませんが、障害が明らかになった際の対応は企業によりますので、その点を理解しておくことが重要です。
これらのリスクを踏まえた上で、クローズ就労を選ぶ際には、自身の障害の特性や職場環境、自身の希望等を考慮することが求められます。
クローズ就労のメリットは?
クローズ就労、つまり障害を開示せずに働くことには、いくつかのメリットがあります。
求人数が多く職種や企業の選択肢が広い
クローズ就労を選ぶ最大メリットは、求人数が多いことです。
障害者枠の求人は限られていますが、クローズ就労であれば、一般の求人に応募することができるため、自分の興味や能力に合った職種や企業を選ぶ選択肢が広がります。
僕がクローズ就労をした時は、まだまだ自分の特性を自覚しておらず、発達障害という診断がついたけれど手帳の取得について検討も特にしていない頃でした。
ハローワークを利用して自分のやりたい仕事にすぐに就くことができたのはクローズ就労のおかげだったと思います。
昇進や昇格もあり、働きがいややりがいがある
障害者枠での就労では、キャリアアップがしづらい場合がありますが、クローズ就労では、一般の社員と同じように昇進や昇格の可能性があります。
自分のスキルや経験を活かして昇進や昇格を目指せることは、働きがいややりがいを感じますよね。
また、昇進や昇格により自己肯定感を高め、自信を持って働くことができます。継続した就労をする上で重要なメリットと言えます。
クローズ就労、デメリットもあるの?
クローズ就労には上記のようなメリットがありますが、一方でデメリットもあるんです。ここでは、障害を公開せずに働くことによるリスクについて詳しく解説します。
- 障害による通院などの都合で出勤、退勤を申し出にくい。
- 障害に対する周囲の理解を得られず、誤解を受ける可能性がある。
障害による通院などの都合で出勤、退勤を申し出にくい
クローズ就労を選ぶことで、障害による通院や治療の都合を職場に伝えにくいというデメリットがあります。
障害を開示していないため、通院のための時間調整や作業の配慮を求めにくいのです。
これは、健康管理や仕事の効率に影響を及ぼす可能性があります。
障害に対する周囲の理解を得られず、誤解を受ける可能性がある
障害を開示せず働くことで、周囲の理解を得られないという問題もあります。
障害による作業の制限や困難を理解してもらえず、誤解や偏見による人間関係のトラブルが生じる可能性も想定しておく必要があるでしょう。
障害の種類や症状によっては、障害に対する合理的配慮が得られないことで結果的に長く就労できないという可能性もあります。
また、それまでの転職の回数などによっては面接時に体調や通院歴について質問を受けることもあるため、クローズ就労が難しい場合もあるかもしれません。
オープン就労ってどんな就労なの?
オープン就労は自分の障害を企業に伝えて障害者枠で就職することです。
またオープン(障害を伝える)にした上で一般枠での就職という形もあります。
企業に障害を伝え障害者枠で働く
企業は法律により一定の割合で障害者を雇用する義務があります。厚生労働省は2023年1月、企業の障害者法定雇用率について、現在の2.3%から段階的に引き上げ、3年後の2026年に2.7%にすることを決めました。
障害者枠で働くことにより、障害に配慮した働き方が可能となります。
障害を伝えつつ一般枠で働く
一方、最近は障害を伝えつつ一般枠で働くという働き方も少しずつ増えてきました。
このような働き方は自分の能力を最大限に活かすことが可能となります。多様な働き方に理解のある企業が今後もっと増えると良いと思います。
オープン就労のメリット
・通勤時間帯の調整など障害の特性に応じた配慮してもらうことができる。
・周囲の理解により人間関係を築くことができる。
・通院等に配慮してもらうことができる。
僕がオープン就労をしたのは、4つ目の会社をうつ病により休職をし、そのまま退職をした後のことです。
うつ病になってからも就労したい気持ちは強かったのですが、その意に反して体は全く動かず一生仕事なんてできないんじゃないか、もう死んだ方がいいんじゃないかと考えていました。
そんな僕でしたが信頼できる就労移行支援事業所の支援員さんとの出会いで手帳を取得、オープン就労へと進むことができました。
就労移行支援事業所で良い支援員さんと出会えたのが転機となったのですね!
同じ支援員としてとてもやりがいを感じる体験談が聞けてとても嬉しいです
オープン就労のデメリット
・職種の幅が狭い
・給与面が希望に満たないことが多い
・非正規雇用が多い
僕はそれまで自分のスキルにも自信があって、それに見合った収入を得たいと思っていたのでオープンでの求人には魅力を感じることが出来ませんでした。
そんな僕も就労支援を受け、相談や適性検査、自己理解を深めていく中で自分の苦手なことや課題について受容できるようになりました。
その結果、独り暮らしをやめ実家に戻り、家族の援助を受けながらまずは障がい者枠での就労を目指し、正規雇用へステップアップを踏むことにしたのです。
今では念願かなって正社員として働いています。
オープン就労とクローズ就労 選ぶならどっち?
オープン就労もクローズ就労もそれぞれメリットデメリットがあります。
障害の種類によっても状況は変わってくると思いますが、長く仕事を続けるためにはオープン(障害を伝える)にするメリットは大きいと思います。
僕の場合、クローズで就職した会社の離職理由は障害がバレて・・というわけではありませんでしたが、発達障害であることが分かってしまうのではないかと神経を使ったり、会社側に業務内容などを配慮してもらえるわけではないので、苦手なことを克服しなければというプレッシャーと常に戦ってとても疲弊していました。
人間関係もうまく築くことができず、その結果うつになってしまったのです。
障害をもっていることを告知して合理的配慮を受けられるというのはオープン就労の一番のメリットかも知れません!
また、手帳を取得してオープン就労を目指す場合、障害者向けの転職エージェントの利用も可能ですので、エージェントの利用も検討してみて下さいね。
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