役立ちコラム

先延ばし癖はADHDのせいって本当?治す方法はあるの?

「先延ばし癖のせいでやる気がないと思われてしまう」

「先延ばし癖を治したいのになかなか治せない」

「先延ばししてしまう原因が自分でも分からない」

このようなことで悩んだり、辛い思いをしていませんか?

またこの記事をご覧になっている方の中には、ADHDが先延ばし癖に関係しているのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

そんな方のために、今回は先延ばし癖とADHDの関係や先延ばし癖の原因、対処法についてご紹介したいと思います。

先延ばし癖はちょっとの意識と工夫で改善することができます。この記事でご紹介する対処法は仕事でも活用できるので、ぜひ試してみてください!

先延ばし癖はADHDのせい?

結論からいうと、ADHDの人は物事を先延ばしにする傾向があるというのは、本当です。しかし、先延ばし癖があるだけでADHDと診断されることはありません。

また、ADHDのすべての人に先延ばし癖があるとも限りません。なぜなら、同じ障害でも症状の出方は一人ひとり異なるからです。

ADHDだから先延ばし癖があると思い込むのは、少し早まった考え方です。しかし、先延ばし癖で日常生活に大きな支障が出ているのであれば、ADHDが原因である可能性があるといえるでしょう。

そもそもADHDとは?

ADHD(注意欠如・多動症)の特徴は、「不注意」と「多動・衝動性」です。よく見られる症状は、以下の通りです。

不注意

  • 注意力が散漫で同じミスを繰り返してしまう
  • 順序立てて物事に取り組むことが苦手
  • 片づけができない
  • 約束の時間を守れない
  • スケジュール管理が不得意

多動・衝動性

  • 落ち着きがなく、座っていることが困難
  • 静かにすることが苦手
  • 順番を待てない
  • よく考えずに発言や行動をしてしまう

ADHDの原因は脳にある

ADHDの原因はまだ解明されていません。しかし昨今では、脳の機能に偏りがあることが原因ではないかと考えられています。

ADHDに見られる脳の機能の特徴は、以下の通りです。

  • 自己抑制や集中力、計画性、判断力などの働きに関わる前頭前野の働きが弱い
  • やる気に関わるドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の量が少ない

このような脳の特徴がやる気を出すことや、集中力の維持を難しくさせていると考えられます。

要するに、先延ばし癖を含む特性はあなたのせいではなく、「脳の個性」なのです!

先延ばし癖の原因

原因が分かれば対策も立てやすいですよね。次に、先延ばし癖の原因を解説していきます。

やりたいことを優先させてしまう

やらなければならないと頭では理解しているのに、自分のやりたいことを優先させてしまい期日に間に合わなかったり、遅刻してしまったり・・なんて経験はありませんか?

原因はADHDの特徴である「衝動性」によるもの。

ADHDの脳は前頭前野の機能が弱い傾向にあるといわれています。自己コントロールに関わる前頭前野が上手く機能していないため、欲求を制御できないのです。そのため、ADHDの人はやりたいことを優先させ、つい物事を先延ばしにしてしまう傾向にあります。

また興味関心があることに、集中しすぎてしまうことはありませんか?これは「過集中」といい、やはり先延ばしの原因になります。一方でADHDさんの長所ともいえますよね。

集中力を上手くコントロールするための方法については、次の項でご紹介します。

集中できない

ADHDの人は、注意力が散漫になりやすい傾向があります。何かしている最中に別のモノが視界に入ったり、他の用事を頼まれたりすると、それまで行っていたことから気が逸れてしまうこともしばしば。そして、意図せず物事を後回しにしてしまうのです。

これは「不注意」というADHDの特性によるもの。対策は、集中できる環境を作ることです。こちらも後ほどご紹介します。

何から手をつけたら良いか分からない

やる気はあるのに、何から手をつけたら良いか分からず、物事を後回しにしてしまう人も少なくありません。

複雑な課題に取り組む時、多くの人は最初に目標を設定し、計画を立て、それから行動に移すなどの段階を踏みます。

計画の段階では優先順位や段取りを考える必要がありますよね。また実行する際は、時間や作業状況の管理、物事の判断、時には感情のコントロールが必要になります。

このように、課題を成し遂げるために必要な思考や行動をコントロールする機能を「実行機能」といいます。実行機能も前頭前野の働きが影響しているため、ADHDの人は計画や順序立てが苦手な傾向にあるのです。

日頃から優先順位をつけることを意識すると、先延ばし癖の改善に繋がります。

準備に手間がかかり物事に取りかかれない

せっかく行動しようと思ったのに必要な物が見当たらず、物事に取りかかれないというのもよくあるケースです。

ADHDの人は注意力が散漫なことや、集中力が持続しないことなどから、部屋の片づけや物の管理が苦手な人が多くいます。

中には、携帯料金の払込票が見つからず、支払いを先延ばしした結果、電話が使えなくなってしまう事態に陥る人も。

このように、するべき行動の前段階に課題があると、物事を先延ばししやすくなってしまいます。そのため、スムーズに実行できるような環境作りが大切になります。

先延ばし癖に効果的な4つの対処法

ADHDさんの先延ばし癖は、脳の機能が影響している可能性があるため、完全に治すことは難しいかもしれません。しかし、意識と工夫で改善が可能です。そこでこの項では、先延ばし癖の対処法を4つご紹介したいと思います。

環境を整える

環境の整え方は多様ですが、ここでは厳選した2つの方法をご紹介します。

1.物の置き場所を決める

物の置き場所を決めておくと、行動する前に探し物をする手間が省けるため、スムーズに物事に取り組むことができます。会社のデスク周りに関しても、文具や書類などの置き場を決めておくと仕事の効率アップに繋がりますよ。

また引き出しのような目に見えない場所には、ラベルシールなどを活用し、どこに何が閉まってあるのかを一目で分かるようにしておくこともオススメです。

2.視界に入る物を減らす

気が散りやすい人に有効的なのが、視界に入る物を極力減らすという方法。身の回りの物を減らしたり、音をシャットダウンしたりすることで、今やるべきことに集中できる環境を作ってみてください。

たとえば、作業の際は携帯電話を別の部屋に置いておく、耳栓をするなどの方法が考えられます。しかし会社の場合は、勝手に物を動かすことが難しいかもしれません。理解のある職場であれば、静かな場所で作業をさせてもらうなど、集中できる環境を作ってもらえないか上司へ相談してみるのも一つの手です。

リスト化して優先順位をつける

やるべきことをリスト化して目に見える形にすると、先の見通しが立てやすくなります。この時に大切なことは、優先順位を一緒に書いておくことです。

優先順位のつけ方に迷ったら、職場の上司や周囲の人に相談してみましょう。すぐに相談できる人がいない場合は、一先ずやるべきことリストを眺めてみてください。そして、今すぐに取りかかる必要がありそうなことを一つだけ選び、実際に取り組んでみましょう。

アラームを活用する

自分のやりたいことを優先してしまったり、過集中によりするべきことを忘れてしまう人は、アラームを活用するのがオススメです。時間に区切りをつけ、先延ばしを回避しましょう。

アラームは1時間毎など、一定の時刻で鳴るように設定しておくと、行動の切り替えがスムーズにできます。

周囲の人にフォローしてもらう

どんな人にも得意なこと、苦手なことがあります。ADHDさんの場合、脳の機能が苦手を作り出している可能性があるため、できないことで自分を責める必要はありません。

大切なことは、自分の特性を理解することです。自分の得意・不得意を理解し、必要に応じて周りの人にフォローをお願いしましょう。

たとえば周囲の人へ、時間がきたら声をかけてほしいとお願いしておいたり、職場の上司と仕事の進捗状況を一緒に確認したりなどの方法が考えられます。

そしてもし、あなたが理解を得られにくい環境で辛い思いをしていたら、思い切って働き方など環境を変えてみるのも良いかもしれません。就労に関しては、障害者雇用や福祉サービスの就労継続支援、在宅ワークなど、選択肢は沢山あります。

先延ばし癖の対処法まとめ

  • 環境を整える
  • リスト化して優先順位をつける
  • アラームを活用する
  • 周囲の人にフォローしてもらう

いかがでしたか?

今回ご紹介した対処法について、難しいなと感じた人もいるかもしれませんね。

しかし実践すれば先延ばし癖の改善に繋がり、今ある悩みも軽くなるはずです。

どれか一つだけでも効果が期待できるので、自分に合いそうなものを選び、ぜひ試してみてください!

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