- 叱責が続くことで自己肯定感がゼロになってしまった・・
- 人間関係が上手くいかず人と接するのが怖くなってしまった・・
- 失敗が多く常に不安や焦燥感におそわれるようになってしまった・・
社会に出て仕事をするようになってから、発達障害に気づくという、いわゆる「大人の発達障害」の方が増えています。
そしてどの企業でもメンタル不調の方の中に一定数、発達障害の二次障害と見られる方がいます。
この記事では、発達障害の人の約7割に併存しているという二次障害の予防と対処方法について書いていきたいと思います。
二次障害ってなに?
発達障害は生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害です。
一般的に認知されるようになったのはここ10~15年程ではないでしょうか。
メンタル不調のためカウンセリングに来られる方の中に、これまでに発達障害という診断はついていなくても、”子どもの頃「ちょっと変わった子」と言われていた。”という方がいます。
そういう方の多くは「学生時代は気の合う人とだけ接していたし、勉強もできたので特に困ることはなかったのに、社会に出てからうまくいかなくなった。」と話し、その結果、メンタル不調を訴える方が多いのです。
このように発達障害の特性や症状を起因としてメンタル不調等、あらたに困難を抱えた「二次的な問題」を「二次障害」と呼んでいます。
内在化障害
内在化障害とは葛藤や怒りが自分自身の内的体験に表れることをいいます。
- うつ病
- 適応障害
- 不安障害
- 抑うつ
- 強迫性障害
- 対人恐怖
- 心身症
- 依存症
- 引きこもり
外在化障害
内在化とは逆の外在化障害とは、葛藤や怒りが自分以外の対象に向けた行動として表れることをいいます。
- 暴力
- 家出
- 反抗挑戦性障害
- 行為障害
- 非行などの反社会的な行動
内在化障害と外在化障害は密接にかかわっているため、複雑に併存し様々な形で現れることも多いです。
二次障害ってどうしておきるの?
大人の発達障害の場合、二次障害から発達障害に気づく場合も多いです。
社会に出るまで自分の特性で困ることはなかったAさんは
- これまで気の合う友人や理解者とだけ付き合ってきたため人間関係で特につまずかなかった。
- 自分のこだわった方法やペースで物事を進めても学生時代は問題なかった。
- 苦手なことは避けて通ってこられた。(得意なことでカバーできた)
大手企業に入社し、1年後にはメンタルに不調をきたしました。
- 相手の表情や場の空気を読むことができず、相手を怒らせたり雰囲気を悪くしてしまう。
- 仕事に臨機応変に対応することができず、与えられた業務をこなすことができない。
- 苦手なこともやらなければならず、ミスを連発してしまう。
Aさんは上司から毎日注意を受けている間に自己肯定感が下がり、ストレスも大きくなりました。
ついには朝が起きられなくなり、遅刻が増えていったそうです。
その後、うつ病の診断を受け、仕事を休職することになり、うつ病の治療の中で発達障害がわかり27歳でASDと診断されました。
このように、これまでとは違った環境の中で大きなストレスを抱えたり、自己肯定感が下がることから生きづらさを感じ二次的な問題(二次障害)につながることが多いのです。
二次障害は予防できる?
二次障害になってから回復をするのは時間もかかり困難を要します。
しっかりと予防をすることが大切です。
発達障害とすでに診断され、自分の特性についても自己理解が深まっている場合は、まず職場の理解を得ることが二次障害の予防につながります。
周囲の人に正しく特性を理解してもらい、対応をしてもらえれば大きなストレスを抱えることなく仕事ができるでしょう。
そのためには
自分自身の障害特性について正しく理解し、それを周りに伝えられるようになる。
オープン就労など、障害に理解のある職場を選ぶ。
ことが必要です。
これらの予防対策が自分ひとりでは難しい場合は、就労支援機関を利用すると良いでしょう。
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まとめ 二次障害の対処法は?
発達障害のために定期的に通院をしているなど主治医がいる場合はなるべく早く相談をし、対処法を学んだり、生活環境を整えることで重篤化を防ぐことができます。
医療機関や支援機関の指導に従いながら治療に専念をするための休息をとる事も必要です。
特にうつ病などは再発率も高いため、症状が落ち着いてきても経過観察のための通院や服薬は必要なことが多いので、自己判断で通院や服薬を辞めたりするのはリスクがあります。
あせらずに生活リズムを整えながら
自分の障害の特性を理解する。
自分に合ったストレス解消法を見つける。
体調管理の方法を知る。
などの対処法を身につけていきましょう。
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