- 自分に合う就労移行支援事業所ってどうやって見つければいいんだろう・・
- ひどい事業所もあるっていうし、ちゃんと見極められるか自信がない・・
- 定着率や就職率の実績の高いところなら安心かな・・
就労移行支援を利用して就労しようと思っている方にとって、最初の関門が事業所選びです。
パンフレットにはどこの事業所もいいことばかり書いてあるので、迷ってしまうのではないでしょうか。
今回は就労移行支援事業所の基本的な役割から、自分に合った施設の選び方やチェエクポイントについて説明します。
就労移行支援事業所は各事業所に様々な強みや特色があります。どんなに実績のある事業所でも自分自身の目的に合っていなければ適切な支援を受けることが出来ないかもしれません。
この記事が自分のニーズに最適な就労移行支援事業所を見つけるための参考になれば嬉しいです。
おすすめの三大就労移行支援
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- ココルポート 昼食・交通費補助あり 経済的負担が少なく通える!
そもそも就労移行支援ってどんなところなの?
就労移行支援事業所とは、障害のある方が一般の企業で働くためのスキルを身につけ、自分の能力を最大限に活かすことができるように支援してくれるところです。
具体的なサポートとして、生活スキルの指導、自己理解や障害理解、職場体験、職業訓練、就職活動の支援など、さまざまなプログラムが用意されています。
- 生活リズムを整える・・時間管理や自己管理など、日常生活で必要なスキルを学びます。
- 職業訓練・・具体的な職業スキルだけでなく、職場で働くための基本的なマナーやコミュニケーションスキルも学びます。
- 就職活動支援・・履歴書の書き方や面接の対策など、就職に向けた具体的なアドバイスが提供されます。
これらのサービスは、障害を持つ人々が自立した生活を送り、自分の能力を最大限に活かすことができるようにするためのものです。それぞれの就労移行支援事業所は、利用者一人ひとりのニーズと能力に合わせて、最適なサポートを提供しています。
なぜ就労移行支援事業所を見極めなきゃいけないの?
【就労移行支援事業所】って、現在全国に3,400か所以上もあるんですよ。
すごいですよね。(3,800か所ほどあった時期もありましたが最近少し減少傾向にあるそうです。)
全国的に展開している大手の事業所から10名以下の小さな事業所までタイプも様々。
これだけ就労をサポートしてくれる事業所があるのなら、就労も意外と簡単かもな?と思った方!
実はこんなデータがあるのです。
衝撃!事業所の約3割は「就労率0%」
一般就労への移行率別の割合のグラフを見てください。
全事業社のうち利用者の20%以上を就労させているのが合わせて約51%。
10%以上を就労させているのは13%くらいです。就労率が0%の事業所が約3割もあるんです。
ちなみに就労率の全国平均は26.4%となっています。
せっかく頑張って通っても就労に結びつかないのは困りますよね。
ではどんなところに気を付けて事業所を選んだらよいのでしょう?
HPやパンフレットから調べられること
一番簡単に事業所の情報を調べることができるのは事業所のホームページやパンフレットでしょう。
では、どんなところに目を通したら良いのでしょうか?
就労率や定着率などのデータ
こういったデータだけで自分に合う事業所かどうか判断することはできませんが、事業所選びの一つの目安になるのは間違いありません。
大手は事業所ごとではなく全国の事業所全体の数値を公表していたり、中小や事業所が出来て間もないところはHPなどで公表していない場合もあります。
その場合は見学に行った時に必ず確認してみて下さい。
就労移行をさせた経験のない事業所にはノウハウが少なかったり、独自に就労先を開拓するなどの余裕がない場合もあります。
プログラム内容の充実度
就労移行支援事業所はそれぞれ独自のプログラムがあります。
専門スキルタイプの就労移行支援事業所
就労に向けてやるべき課題をご自身で把握され、やりたいプログラムがはっきりとしている方は専門スキルを身につけられるプログラムのある事業所がおすすめです。
専門スキル型事業所一例
・IT・Web制作スキルを身につけたい
・美容業界で働きたい
・ペット業界に勤めたい
・農業に携わりたい
・資格取得を目的にしたい
一般総合型タイプの就労移行支援事業所
また、自分にどんな仕事が向いているか知りたい、色々な経験をしてから合う仕事を決めたいといった方には幅広いプログラムが用意されている就労支援事業所をオススメします。
事業所の多数はこの一般総合型タイプです。
プログラムの一例
・自分の障害や特性を理解する
・コミュニケーションスキルを学ぶ
・ビジネスマナーを身につける
・自分に合った仕事や働き方を見つける
障害特化タイプの就労移行支援事業所
自分の症状に合ったプログラムを受けたい方や同じ障害と向き合う仲間と気兼ねなくプログラムに取り組みたい方は障害特化型タイプの事業所を選ぶと良いでしょう。
うつ症状特化型プログラムの一例
・症状理解
症状悪化の要因・自身の傾向をつかむことで事前に対処ができる
・ストレスマネジメント
自身に合ったストレスの対処方法を知る
・認知行動療法
自分を苦しめる考えからバランスの良い考えへ
・アンガーマネジメント
怒りのメカニズムを知り、適切に怒りをコントロールできるようにする
口コミや評判
実際に利用した人たちの口コミを参考にするのも良いと思います。
ただし、自分に合うかどうかは分かりませんので口コミだけに頼らず自分の目でも確かめましょうね!
事業所へのアクセス
実は事業所へのアクセスは通い続けることが出来るかどうかの大きなポイントです!
しっかりと自宅からの所要時間や経路を確認します。
近ければ良いかと言えば一概にそうとも言えません。
なぜなら、事業所への通所は就労先に通勤する練習にもなるからです。
近くの事業所へは通えたけれど、通勤はできなかった・・では困りますよね。
もちろん、通勤の練習のために遠い事業所を選んだのはいいものの、事業所自体に足が遠のいてしまうようでは本末転倒です。
自分の通勤がイメージできる距離や場所を考慮して事業所を選ぶと良いでしょう。
また、在宅での就労を考えている人は、オンラインでの在宅支援を行っている事業所の検討も!
交通費や昼食の支給について
昼食代や交通費に補助があるかどうかも意外に重要です。
就労移行支援事業所に通っている間は基本的に仕事をしていない状況ですので、出費はなるべく抑えたいですよね。
昼食代や交通費の補助があるかぜひチェックしてください。
事業所によっては訓練内容によって工賃が出るところもあります。
ただし、工賃の出るところは数少ないので出るならラッキーくらいの気持ちで。
企業理念やブログを読んでみよう!
見学に行く前に、公式HPに書かれている企業理念を見てみましょう。
社会の幸せと自身の幸せをつなげる関係性を築くことで、利他と利己の両方を実現する意味が込められています。
私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。
「誰もが自分らしくワクワクする人生」を目指します。
大手3社の理念を並べてみましたよ。どうですか?結構イメージが違いますよね。
また、事業所の訓練の様子やスタッフの雑記などのブログを開設しているところも多いです。
若いスタッフが多く活気がある様子やベテランのスタッフがいて安心感がある事業所など雰囲気を知ることができます。
見学に行って調べられること
さて、ここからが一番重要ですよ!
事業所の雰囲気
事業所は実際に働くことをイメージしたオフィスタイプ。
個々のスキルアップのためのトレーニングに集中できる個別ブース充実タイプ。
アットホームでわきあいあい自由なタイプ。
など、事業所のカラーがあります。
またトレーニングされている方々の雰囲気も事業所によって違いがあります。
見学に行った際、ご自身がそこでトレーニングする姿を思い浮かべて下さい。
居心地はいいですか?通い続けられそうですか?しっくりときましたか?
1カ所の見学ではわからなくても、いくつか見学に行くうちに自分に合うかどうかチェックできるようになりますので、複数の事業所へ足を運んでみましょう。
スタッフの印象
事業所へ初めて訪れたあなたを、スタッフの方はどのように迎えてくれましたか?
もちろんあたたかく、丁寧な対応だったかと思います。
(事業所を見学に来た人に対して横柄な態度をとったり忙しそうな素振りでいい加減な対応をするところがあったならそこはもちろんやめましょう。)
見学して良さそうだったから決めたのに『丁寧だったのは最初だけで、通いだしたらそうではなかった。』これでは困りますよね。
これは体験時にしっかりとチェックしてください。利用者さんに対してどのような声掛けをしていますか?利用者さんからもスタッフに対して質問や相談をしている姿がありましたか?
事業所のスタッフとの相性はサポートを受けるうえで重要です。信頼できるスタッフがいるかしっかりと確認しましょう。
自分が希望する就労をあらためて考えてみよう
最後に就労移行支援事業所を利用したその先にある働き方をイメージしてみてください。
自分にとって最適と思える働き方はどんなものでしょうか?専門性を身につけてスキルアップができるところが良い方もいるかもしれませんし、無理のない範囲で継続して働ける仕事を希望されている方もいるでしょう。
具体的なイメージができていると自分に合った事業所も選びやすくなりますよ。
就労移行支援事業所は大手事業所がいいのか?
大手事業所にも中小事業所にもそれぞれメリット、デメリットがあります。
事業所にとってメリットであってもそれを自分が活かすことができなければ意味がありません。
駅からアクセスのよい大手事業所より、家から近い中小の事業所がある場合もあります。
多くの案件がある大手事業所よりも、地元の就職に強い中小事業所の方が自分にとっては良い案件がある場合もありますよね。
必ず見学に行って、自分の現状や希望について相談した上で事業所を選びましょう。
大手のメリット
・既に就職者数も多く、障害者の就労に対するノウハウがあること
・ハローワークだけでなく独自の就職案件があること
・多くの人に合わせた一般総合型のオリジナルプログラムが用意されていること
・駅から近いなどアクセスのよい場所にあることが多い
・HPなどの情報が充実しているため、利用を検討しやすい。
大手事業所のデメリット
・スタッフの異動が多く、担当が変更しやすい。
中小事業所のメリット
・独自の特化したカリキュラムがある
・地元に密着した強みがある
・少人数で手厚くサポートが受けられる
中小事業所のデメリット
・事業所によっては、実績がない場合がある
障害者向け 就職・転職エージェントという選択肢も
障害によって離職等をし転職を考えている場合、必ずしも就労移行支援を利用する必要はありません。
就労経験もあり、体調面等、就労への準備がすでに整っていてなるべく早く就職したいと考えている方には就職・転職エージェントを利用することをオススメします。
就労移行支援事業所の選び方 まとめ
ここまで事業所選びのポイントについてお伝えしてきました。
”やってることが簡単すぎて意味がない”
”関心のあるプログラムが少ないため通う気がしない”
などの不満は事業所選びのミスマッチから起こることも多いため注意が必要です。
資料を見た段階で一番関心のあった事業所に見学に行くと、みんな黙々とPCに向かって課題をこなしているようなところでした。
もちろん事業所へは遊びに行くわけではないので、おしゃべりばかりしているところよりも高評価です!
資格取得が一番の目的でもあったのでそれでもいいかなと思ったのですが、スタッフの方との距離間がかなりあるように感じて、就労に向けた活動などの相談がしづらそうな印象を持ちました。
次に行ったところは資料には資格取得についてのアピールされていたので期待していたのですが、実際にはそれについて詳しいスタッフさんは一人もおらず、資格取得を目的としている利用者さんもいないようでした。
これでは家で自分一人で勉強するのと変わらないと感じて見送りました。
あちこちへ足を運ぶのは勇気もいるし、交通費もかかったけど自分に合った事業所が見つかったし、そして今、こんな風にみなさんに就労移行支援事業所の選び方について発信することもできているのでムダではなかったなと思います。
就労移行支援は原則一生に2年しか利用できません。
必ず複数の就労移行支援事業所を比較して自分に合ったところを選ぶことをお勧めします。
自分一人では良いか悪いか判断するのが難しいと思われる方や、断れ切れずに契約してしまうかも・・という方は、親や友人、元同僚など自分をよく知った人と一緒に見学にいくのもオススメですよ。
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