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ADHDとHSPの違いは?併発した場合の注意点と対処法について

adhd hsp 違い 併発
  • ADHDの診断を受けているけどHSPにも当てはまるかも・・
  • ADHDやHSPについてどう説明していいか、わからない
  • まわりに理解してもらうことができず孤独を感じる・・

近年、 HSPという言葉を耳にする機会が増えました。 HSPの人は刺激に敏感で繊細なため、疲れやすかったり、生きづらさを感じたりしている方も少なくありません。

また、HSPはADHDと似た特徴もあるため、すでにADHDの診断を受けている人の中には「自分はHSPではないだろうか・・・?」と感じている方もいるかもしれませんね。

ADHDについては少しずつ理解も深まってきましたが、まだまだ認知度が低いHSP、まわりに配慮を求めることを難しく感じているかも知れません。

そんな方のために、この記事ではADHDとHSPの違い併発した場合の注意点対処法などを解説します。

この記事を監修した人

公認心理師のサイトスです。

現在は複数の企業でメンタルヘルス関連の研修やカウンセリングを行っています。

HSPによって仕事のしづらさを感じる人も増えてきました。

ADHDとHSPについて

ADHDとHSPの違いを知るために、まずはそれぞれの特徴をおさえておきましょう。

ADHDとは

ADHD 不注意

ADHDは発達障害の一つで注意欠如・多動症ともいいます。主な症状は、不注意・多動性・衝動性です。注意力が散漫で同じミスを繰り返したり、衝動的で感情や行動をコントロールすることが苦手であったりすることが特徴としてあります。

ADHDの人の中には、ミスや忘れ物が多いことに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。治したい気持ちはあるのに何度も同じミスを繰り返してしまうと、落ち込みますよね。

では、不注意を治したいのに治せないのは、なぜでしょうか?

近年、ADHDの原因は脳の機能にあることが明らかになってきました。

脳の機能が原因とは、どういうことなのでしょうか。つまり、不注意・多動性・衝動性という特性は、性格の問題ではなく、生まれつきの脳の特性ということです。不注意を治そうとしてもなかなか治せない理由は、脳の特性が影響しているからだったのです。

ADHDの治療には、症状を緩和させるために薬物療法が用いられることがあります。脳内の神経伝達物質を薬により調整するのです。

また、薬物治療以外には、生活がしやすいように周囲の環境を調整することも、生活の改善に有効だといわれています。

HSPとは

HSPは「生まれつき繊細な人」のことをいいます。心理学者のアーロン博士により定義されました。

よく耳にするようになったHSPは、一体どのくらいの人が該当すると思いますか?アーロン博士によると、5人に1人がHSPに当てはまるそうです。

このデータを多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれですが、少数派であることには違いありません。繊細で敏感といわれるHSPの人にとっては、自分と異なる特性の人が多いこの世界は、生きづらさを感じるかもしれませんね。

さて、HSPさんはよく「繊細さん」といわれますが、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか。アーロン博士はHSPの特徴として以下の4つを挙げています。

HSPの特徴
  • 深く物事を考える(Depth of ProcessingOverstimulation)
  • 刺激を過剰に受けやすい(Overstimulated)
  • 共感力が高い(Emotional response and empathy)
  • 感受性が強い(Sensitivity to Subtleties)

特徴の例としては、他人の言動を深く考えすぎたり、気を使いすぎたり、音や匂いなどの五感にも過敏だったりすることが挙げられます。HSPの人は、人や物からの影響を過度に受けてしまうため、気持ちを休める時間がなく、疲れを溜め込みやすくなります。そのため、刺激から上手く距離をとることが必要です。

ADHDとHSPの違い

ADHDとHSPは、感覚過敏や外からの刺激の受けやすさなど、共通する特徴があります。では、違いはどのような点にあるのでしょうか。ここでは、ADHDとHSPの違いを3つにまとめました。

3つの違い

①障害かどうか

ADHDは精神医学に基づく発達障害に分類されます。一方、HSPは心理学の概念であり、生まれ持った性質として定義されたものです。

    要するに、ADHDは脳機能の障害であるため、精神科領域での診断が可能ですが、HSPは心理学に基づく定義ですので、一般的には精神科で診断することはできないということです。

    それでは、HSPは障害ではないため見過ごして良いのかというと、そうではありません。障害か否かに関わらず、生きづらさを抱えている人が多いという点では、ADHDと変わりがないため、放っておかずに対処することが必要です。

    ②注意力と多動性があるか

    ADHDは注意力が散漫だったり、じっとしていられなかったりする特徴があります。一方、HSPの人は細かい点にもよく気が付き慎重な人が多いため、何度も同じミスを繰り返すことは少ないでしょう。また個人差はありますが、基本的にはじっとしていることも苦手としていません。

    ③自己コントロール力があるか

    ADHDの人は物事を考える前に、衝動的に行動してしまうという特徴があります。脳の機能に偏りがあり、欲求をコントロールすることが難しいのです。一方HSPの人は、人の顔色や反応に敏感なため、慎重になりすぎて動けなくなってしまうことも少なくありません。

    ADHDとHSPの見分け方としては、注意力、多動性、自己コントロール力がポイントといえそうですね。

    ADHDとHSPを併発した場合の注意点

    「ADHDとは」の項でも解説した通り、ADHDの人は衝動的に行動したり、発言したりしてしまう特徴があります。抑制が効かず、思いつくままに言動してしまうため、ミスを繰り返して後悔することも少なくありません。

    失敗しても障害特性の影響であると受け入れ、気持ちの切り替えや対策を練ることができれば良いのですが、HSPを併せ持っていると、特性だと割り切ることが難しくなってしまいます。HSPを併発している人は繊細なため、失敗を過度に気にして落ち込んでしまうのです。

    また、ADHDの人はアグレッシブに行動する人が多いため、その分刺激を受ける頻度も増えるでしょう。HSPを併発していると、行動するたびに刺激を受けるため、 より疲労を感じやすくなります。上手くストレスを解消できない場合には、他の精神疾患を併発してしまうことも・・・。。

    それでは、ADHDとHSPのどちらにも当てはまる人は、どうすれば良いのでしょうか?次の項では、併発した場合の対処法をご紹介します。

    ADHDとHSPさんの3つの対処法

    今回は、ADHDとHSPを併発した場合の対処法を3つご紹介します。

    • 物事の捉え方や考え方を見直す
    • マインドフルネスを取り入れる
    • 環境を整える

    対処法の一つ目は、物事の捉え方や考え方を見直すことです。HSPの人は、人の言動を過度に気にしたり、意味を深く考えすぎたりしてしまいます。相手の感情を敏感に感じ取れることは、困っている人にも心配りができるなど長所でもありますが、気にしすぎるとエネルギーを消耗してしまいます。

    そのため、物事を過度に捉えすぎないような訓練をすると良いでしょう。おすすめの訓練法として、認知行動療法があります。

    認知行動療法は、思考のバランスを良くすることでストレスを軽減させる心理療法です。医療機関などで実施される他、自分で行うこともできますので、書籍やインターネットを参考にして取り組んでみるのもいいでしょう。

    厚生労働省のHPにも、認知行動療法の資料が掲載されていますので、参考にしてみてください。

    参考:心の健康 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

    対処法の二つ目は、マインドフルネスを取り入れることです。マインドフルネスとは、目の前のことに集中し、今この瞬間を大切に生きる方法です。瞑想という言葉の方が耳馴染みがあるかもしれませんね。

    マインドフルネスには、様々な効果が期待できます。

    • 集中力アップ
    • ストレスの軽減
    • 睡眠の質の向上
    • 感情のコントロール

    ADHDとHSPさんは、他の人より刺激を受けやすい分、頭が混乱しがち。脳も心も疲れてしまいやすいのです。疲れを溜め込むと、集中力や睡眠の質の低下にも繋がります。マインドフルネスを取り入れることで、ストレスとそれに伴う諸症状の改善が期待できるため、疲労を感じやすいADHDと HSPさんにおすすめです。

    マインドフルネスの手法は様々ですが、ここでは最もベーシックな方法をご紹介します。

    1. 楽な姿勢で背筋を伸ばす(椅子に座ったり、胡座をかいたり、仰向けで寝転んだりするのもOK)
    2. 鼻から息を吸い、口からゆっくりと息を吐く(息を吸った時にお腹が膨らんでいることを意識しましょう)
    3. 雑念が思い浮かんだら、再び呼吸に意識を戻す
    4. 1〜3を繰り返す

    呼吸に意識を集中させることで、いつもフル回転している脳を休息させることができます。簡単にできますので、疲れた時や心が乱れた時にぜひ、試してみてください。

    対処法の三つ目は、環境を整えることです。学校や職場、家庭における環境を変えたり、暮らしを工夫したりすることで、生活をしやすくするのです。

    たとえば、他人と関わると疲弊してしまう場合は、できるだけ人と接することが少ない仕事をしたり、聴覚過敏で睡眠に支障がある場合は耳栓をしたり、気が散りやすい人は物や音など刺激が少ない環境をつくるなどが考えられます。

    ADHDの特性もHSPの特性も生まれ持ったものですので、完全に失くすことは難しいでしょう。特性は個性でもありますので、自分に合う環境を整え、長所は活かしていきましょう!

    ADHDとHSPに関するまとめ

    今回はADHDとHSPの違いや併発した場合の注意点、対処法などをご紹介してきました。最後におさらいをしましょう。

    • ADHDとHSPの違いには、①障害か否か  ②注意力や多動性の有無 ③自己コントロール力 がある。
    • ADHDとHSPを併発した場合は、より刺激を受けやすい状態となるため、疲弊しやすくなる点に注意が必要。
    • ストレスを上手く解消できない場合には、他の精神疾患を併発するリスクがある。
    • ADHDとHSPを併発した場合の対処法には、①認知行動療法 ②マインドフルネス ③環境調整  がある。

    ストレスや生きづらさを感じている方は、ぜひ今回ご紹介した対処法を試してみてください!

    ADHDとHSPの併発により継続した就労が難しい場合は

    ADHDとHSPを併発し、就労に悩みを抱えている場合は、就労移行支援の利用をおすすめします。

    就労移行支援事業所の中にはマインドフルネスなどのプログラムがあるところもあります。

    また、自身の特性の理解を深め、その対処法を知ることで就労が継続でき、定着支援も受けることも可能です。

    就労移行支援事業所は大きく分けて、一般型、スキル特化型、障害種別特化型の3つに分けることが出来ます。自分の目的に合った事業所を選ぶことが重要ですので、いくつかの事業所を見学してみましょう。

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