制度・サービス

高次脳機能障害は障害者手帳はとれる?障害年金はもらえるの?

高次脳機能障害は、低酸素脳症や脳炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷などによって脳の一部が損傷したためにおこる障害です。

主に以下4つの障害が単体もしくは複数、絡み合います。

主にみられる症状

  1. 社会的行動障害: 感情や行動のセーブができない
  2. 記憶障害: 新しい知識が入らない、過去を忘れる
  3. 遂行機能の障害: 日常生活や仕事の一連の動作ができない
  4. 注意障害: 集中力や注意力が散漫になる

症状が多岐にわたるため、生活への困り感も様々です。
この記事では高次脳機能障害は障害者手帳が取れるのか、障害年金はもらえるのか、申請の注意点について解説します。

高次脳機能障害は症状次第で障害者手帳を取れる

高次脳機能障害は、症状次第で障害者手帳の対象です。身体と精神の症状がある場合は、両方申請することが可能です。 

取得できる手帳の種類

  • 療育手帳

18歳未満で発症し知的障害とみなされたとき

  • 身体障害者手帳 

言語障害や手足の麻痺など、厚生労働省の定めた等級表に該当するとき

  • 精神障害者保健福祉手帳

高次脳機能障害で社会・日常生活に制限があると診断されたとき

診断書を初診日から6ヶ月以上経過後作成してもらい、作った日から3ヶ月以内に申請しましょう。

詳細については、お住いの地域の福祉担当窓口へ問い合わせると良いでしょう。

高次脳機能障害は障害年金をもらえる可能性がある

さらに高次脳機能障害は、障害年金をもらえる可能性もあります。

受傷発症から1年半経過後時点でも障害が残り、日常生活を送るのが困難な場合です。 

身体障害の症状が軽くても、「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」の評価によって年金の対象となります。

障害等級が基準に満たなくても対象になる可能性もあるため、年金事務所等へまずは問い合わせてみましょう。

障害基礎年金

  • 受傷発症時に国民年金に加入しており、 生活が困難になった場合
  • 20歳未満で公的年金未加入の場合

障害厚生年金

  • 受傷発症時に厚生年金に加入しており、日常生活が難しい場合

障害共済年金

  • 受傷発症時に共済年金へ加入していて、生活に支障がある場合 

特別障害給付金制度 

  • 昭和61年3月以前に国民年金任意加入対象であった被用者などの配偶者で、任意加入していなかった期間内に初診日があり現在障害等級表1、2級程度の障害がある場合 
  • 平成3年3月以前に国民年金任意加入対象だった学生

当てはまる場合は、市区町村の年金課へ行きましょう。

障害年金を受け取るための3つの要件

障害年金を受け取るためには、3つの要件があります。 

初診日を特定し証明

初診日を医療機関のカルテから特定し、証明しましょう。 途中で転院があっても、初めの病院受診日が該当します。 

障害による怪我や病気にあたり、初回の診療を受けた日です。間違えると手続きはやり直しになるため、ご注意ください。 

脳血管疾患や事故などで救急搬送された日が初診日になる場合もありますが、脳炎や低酸素 脳症が要因の際は特定しづらいかもしれません。時には専門家の援助も頼りましょう。

初診日までに一定以上の年金を納めている

20歳から初診日の前々月までの間が、肝です。 該当期間の2/3以上が、保険料納付済になっていなければなりません。 

若年納付猶予期間や学生納付特例期間、保険料免除期間も保険料納付済に含まれます。特例として初診日の前日までの時点で、前々月までの1年間支払いが滞っていなければ障害年金の申請が可能です。

症状が認定基準に当てはまる

認定日に障害の症状が、日本年金機構の以下基準に該当している必要があります。

  • 障害年金1級

高度の明らかな精神神経症状や人格変化、認知障害により、つきっきりでサポートが必要

  • 障害年金2級

1級よりは軽いものの、日常生活に著しい制限がある

  • 障害年金3級

・人格変化や認知障害は重くないが、その他の精神神経症状にて仕事に制限がある

・認知障害で労働に大幅なセーブがかかる

  • 障害手当金

認知障害で労働に大幅なセーブがかかる

高次脳機能障害の方が障害年金をもらう手続きの流れ

要件を満たしているとわかったら、次のような流れで障害年金を受け取ることができます。 

  1. 初診の医療機関へ受診状況等証明書作成を依頼
  2. 精神障害者用の診断書を取得
  3. 本人もしくは代理人が発症から現在までの病歴・就労状況等申立書を作成
  4. 住民票や戸籍謄本など必要書類請求書等を作る
  5. 市区町村村役場課年金事務所へ提出

高次脳機能障害の方が障害年金をもらう際のQ&A

高次脳機能障害の方が障害年金をもらう際のよくある質問を、Q&Aにまとめました。

Q:高次脳機能障害の診断を受けていないと受給は難しい?

A: 障害年金の申請にあたり、診断書が必要になります。しかし後ほど自覚症状が出ても、現時点で受診していない方も多いです。 

障害年金の受給やご自身の体に適切な治療をするためにも、1度医療機関で診断を受けるのをおすすめします。

障害者手帳の等級の低さは障害年金をもらう際に不利?

A: 障害者手帳の等級が目安になることはあっても、必ずしも全権限に影響するわけではありません。精神障害者保健福祉手帳が3級でも、障害年金2級を受給できたケースもあります。 

日常生活や仕事においてお困りの場合は、申請するのも1つの方法です。

障害者手帳を持っていなくても障害年金をもらえる?

A: 障害者手帳と障害年金の制度は、違います。 障害年金の要件を満たしていれば、受給可能です。

障害年金以外の障害者福祉サービス

障害年金以外にも、高次脳機能障害の人が利用できるサービスとして障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスもあります。

利用できるサービス

介護給付

、入浴、排せつ、食事の介護等、創作的活動又は生産活動の機会の提供など

訓練等給付

自立訓練 自立した日常生活又は社会生活ができるように行う訓練

就労移行支援 一般企業への就労希望する方に、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う

就労継続支援A型B型 一般企業等での就労が難しい方に、就労する機会を提供し、能力等の向上のために必要な訓練を行う

まとめ:高次脳機能障害は障害者手帳はとれる?障害年金はもらえるの?

高次脳機能障害で日常生活を送るのに困難がある場合、要件を満たすことで障害者手帳を取得したり、障害年金を受給することができることがわかりました。

どちらの手続きも診断書や必要書類を集めたり、認定を受けるための聞き取りがあることなどから、ハードルを感じ申請をあきらめてしまう方も多いのですが、相談窓口がありますのでまずは問い合わせることから始めてみましょう。

高次脳機能障害相談窓口

    -制度・サービス