- 障害年金は障害者手帳がないともらえないの?
- 障害年金をもらえる人ともらえない人の違いは何?
- 受給のために何から始めていいかわからない・・
統合失調症で、障害年金の受給を考えている方もいるかと思います。
しかしネットで「統合失調症では障害年金はもらえない」といった情報を見て、不安になった方もいるのでは?
結論から言うと、統合失調症でも条件を満たせばもらえます!
この記事では統合失調症で障害年金をもらうための条件について、特に重要なポイントをわかりやすく解説しています。
記事を読むことで、あなたが障害年金をもらえるかどうかがわかり、受給に向けて行動に移すことができますよ。
統合失調症でも障害年金受給の条件を満たせばもらえる
障害年金をもらうための条件は4つあります。
- 始めて診察した日(初診日)を証明できること
- 初診日に年金制度に加入していること
- 年金保険料の納付状況が一定以上であること(免除、猶予はOK)
- 『障害認定日』に、年金法である障害の状態であること
- それぞれ詳しく説明します。
統合失調症で障害年金をもらうための条件4つ
統合失調症で障害年金をもらうためには4つの条件があります。
条件①始めて診察した日(初診日)を証明できること
障害年金の申請には初診日の証明は必須
初診日の証明は障害年金の受給において、とても重要です。
申請には初診日を証明する『受診状況等証明書』が必要です。作成は初診の医療機関が行いますが、一度も転院していない場合は不要です。
※初診日とは、その病気やけがのために“初めて”診察をしてもらった日を指します。
本人の申し立てた日を初診日とすることもできますが、証明力はとても低いため受給できる可能性は低くなります。
初診日の証明は手間と時間がかかるが諦める必要はナシ
この初診日の証明は年金受給のために特に重要な条件でありながら、手間と時間がかかります。
手間がかかる理由として以下のようなものがあげられます。
- 初診病院がどこかわからない、判断できない、思い出せない
- 初診病院を間違えた場合、改めて前の医療機関に証明書作成の依頼をする必要がある
- 医療機関の証明が手に入らないことがある(医師法でカルテの保存は最終の受診日から5年間と定められている)
ただし、このような理由があっても2番目の病院に医師による初診日の記載や、紹介状の内容、第3者による証明でも初診日を認められることがあります。
初診日の確定でつまずかないためにも
- お薬手帳
- 病院の領収書
- 診察券
- 家族や友達などの情報
などをもとに、しっかり受診状況を把握しておきましょう。
条件②初診日に年金制度に加入していること
初診日に年金制度に加入している必要があります。
- 国民年金に加入している場合、障害基礎年金
- 社会保険に加入している場合、障害厚生年金
を請求することになります。
条件③年金保険料の納付状況が一定以上であること(免除、猶予はOK)
年金保険料の納付状況は、初診の前日において納付要件を満たしていることが重要です。
納付要件を満たすパターンは2つあります。
初診日のある月の前々月までの期間で
①2/3以上が納付済みか、免除、猶予であること
または
②直近1年間に未納期間がないこと
この納付要件を満たしているかどうかの判断は細かいルールもあるため、必ず年金事務所で確認をしましょう。
条件④『障害認定日』に、年金法である障害の状態であること
障害年金を受給するためには、『障害認定日』の障害やけがの程度が、等級に該当している必要があります。病気やけがの原因は問われません。
程度や等級は日本年金機構の障害認定基準(精神の症状)で確認できます。
障害認定日とは、初診日から1年6か月後か症状が固定した日
『障害認定日』とは
①初診日から1年6か月を経た日
または
②初診日から1年6か月以内に症状が安定し、医療効果が期待できない状態に達した状況になった日(例:人工透析療法や人工関節など)を言います。
『障害認定日』以降でなければ障害年金の請求はできません。『障害認定日』を『障害の状態になった日』と誤解しないようにしましょう。
障害年金対象の具体的な病名の例
具体的な病名やケガは、統合失調症を含む精神疾患、交通事故後の高次脳機能障害、脳梗塞の後遺症、がんなどがあります。
ただし神経障害にあたるものは対象外となるので注意しましょう。
- 不安障害
- パニック障害
- 強迫性障害 など
統合失調症の障害年金申請の重要ポイントは医師との関係
申請書類の一つである『診断書』は医師が作成します。診断書の内容は障害年金の受給診断に重要なもの。きちんと作成してもらうためにも、細かい部分もしっかり伝えるなど、意志や思いを伝えるようにしましょう。
自分の病名を医師に確認する
精神疾患の中には障害年金対象外の障害があるため、自分の病名は本当に統合失調症か、必ず確認しましょう。もし人格障害や神経障害であった場合、これらは障害年金の対象外であるため、日常生活にどんなに支障があっても障害年金はもらえません。。
症状を軽く書かれないよう細かい症状も伝える
医師と本人との症状の認識にずれがあると、診断書に症状を軽く書かれることがあります。生活に支障があることをできるだけ明確に書いてもらうためにも、症状の細かい部分をしっかり伝えるようにしておきましょう。
また、診断書が出来上がった際は、封をしていても開けて内容を確認をしてください。
以前は診断書に封がしてあることを求める保険会社が多かったため、病院が封をする習慣があったこともあるようですが、診断書を請求者が確認することは何ら問題ありません。
診断書を受け取ったら、記載内容を確認しましょう。間違っている箇所や納得のいかないところがあれば、修正を依頼しましょう。
診断書拒否の場合は障害年金の重要性を伝える
医師によってはトラブルに巻き込まれたくない、忙しいなどを理由に診断書を拒否することがあります。また障害年金制度を詳しく知らない医師も・・・。
正当な理由がない限り医師が診断書の作成を拒むことは違法ですが、年金を受けることでのメリットを伝えるなど、重要性を理解してもらいましょう。
統合失調症で障害年金がもらえないと自己判断する前に
症状が重かったり制度を難しく感じたりして、自分で申請することが難しい場合、請求代理を専門家に頼むことができます。
請求代理には無料のものと有料のものがあります。
- 有料・・・社会保険労務士(社労士、一部の弁護士)
- 無料・・・病院の相談員(精神保健福祉士、社会福祉士、年金事務所、街角の年金相談センター)
有料での請求代理は最短最速で支給決定を得る方法を心得ており、非情に心強い味方となります。契約するときは料金や手続きのやり方など、契約書をよく確認しましょう。
無料のものは手伝いやアドバイスという感覚のものが多いです。有料のものよりは敷居は低いですが、ほかの業務と兼務していたり相談の予約が必要だったりします。
請求代理する場合は、自分の状況に合った専門家を選ぶようにしてください。
まとめ
統合失調症で障害年金は受給対象であることや、受給するためのポイントを解説しました。
障害年金をもらうためのハードルはたくさんありますが、決してできないことではありません。
経済的自由を得るためにも、できる範囲で確実に行動していきましょう。
参考書籍
これ一冊でわかる!障害年金のしくみと手続き/吉野千賀/(株)ナツメ社
世界一やさしい障害年金の本/相川裕里子/(株)学研プラス