障害者の転職 難しいと言われるのはどうして?その理由と対処法は?

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障害者の転職

転職をしようという理由は様々です。

他人からしたら「そんな理由で?」と思うことでも、障害の特性によっては他人の想像以上に辛いことがたくさんあります。

けれど、いざ転職をしようと、ネットで「障害者の転職」と検索した時、「難しい」「やめとけ」などの文字を目にしたら不安になりますよね。

「今の職場で我慢して働いていた方がいいのかな。」と転職をあきらめてしまう人もいるかもしれません。

サイトス

でもちょっと待って!

本当に障害者の転職は難しいのでしょうか?我慢して働くことで体調を崩してしまったら元も子もないですよ。

この記事を読めばこんな悩みが解決できます。

この記事を読めばわかること

障害者転職の現状

転職がうまくいかない5つの理由

転職を成功させるおすすめの3つの方法

障害のある方が転職をしようかどうか迷った時、自分の状況を客観的に判断し転職に向けて何をすべきがわかるような記事を書きました。

迷った時は何度でも繰り返し読んでみて下さいね!

この記事を書いた人

公認心理師のサイトスです。

現在は複数の企業でメンタルヘルス関連の研修やカウンセリングを行っています。仕事を継続することに困り感のある方と一緒に、一人ひとりに合った働き方を考えサポートしています。

タップできる目次

転職がうまくいかない5つの理由

次は「障害者の転職が難しい」と言われる理由について考えていきましょう。

転職活動のための時間不足

まずは転職準備を始めてから内定をもらうまでのステップを見てみましょう。

転職活動は新しい仕事を探すだけでなく、自己分析などの事前準備や情報収集、職務経歴書等の書類の作成、面接の準備など、多くの時間とエネルギーを必要とします。

全てのステップをクリアするのに早い人は数か月かもしれません。

しかし、応募書類が通らない、面接が通らない・・など思うようには進まないことがほとんどです。

これを現在の仕事をしながら進めるのです。面接のために仕事を休む必要もあるでしょうし、その日程調整だけでも大変です。

体調が思わしくない日や、気分が落ち込む日もある中で、長期にわたる転職活動のための時間を確保をするのは思ったよりも大変かもしれません。

転職活動をするための情報不足

どの企業が自分に合っているのか、どの業界が障害者にとって働きやすい環境を提供しているのか等の情報が不足していると、適切な転職活動が難しくなります。

求人の情報を探す方法としてまず思いつくのはハローワークではないでしょうか?

ハローワークには障害者専門窓口があり、企業の障害者支援の状況など、障害者が働きやすい企業を見つけるための情報が提供されています。

多くの求人があるハローワークですが一般の求人に比べ障害者枠の求人は多いとは言えません。

なので、ハローワークの障害者枠の求人には応募が殺到するのです。

書類がなかなか通らないのは倍率が思った以上に高いからかもしれませんね。

また求人票の情報だけでは、その仕事が自分の特性に合っているかどうか判断する情報が不十分な点もあります。

では、ハローワーク以外で障害者雇用の求人を探すにはどうしたらいいのでしょうか?

仕事をしながら転職のための情報収集をするのは簡単ではないですね。

転職活動を乗り切るためのサポート不足

障害者転職 サポート

転職のために企業研究や自己分析を行ったり、情報収集や応募書類の作成、求人への応募、面接の日程調整、面接対策・・・

仕事をしながら計画的に進めていくのは健常者であっても大変なことです。

普段から通院などで仕事を休む必要がある人は、転職活動のためにさらに休みを取ることが難しい場合もあるでしょう。

疲れてしまって準備が滞ってしまったり、不採用通知をもらって気持ちが落ち込み、前に進むことが難しくなることがあるかもしれません。

転職活動を乗り切るためには、自分一人ではキツイのです。

もちろんハローワークでも丁寧に相談に乗ってくれますが、「公益性、平等性」を基本としていますので、自分のやる気が基本です。

落ち込んでいる人を励ましながら伴走してくれるわけではありません。

自分一人で乗り切るのが難しい場合は、客観的なアドバイスやフォローをしてくれる存在が必要なのです。

働くための準備不足

現在在職中の方でも、自身の障害理解が不十分なためにストレスを必要以上に抱え込んでしまったり、障害の特性に対する対策がわからず体調不調を起こしやすい人もいます。

また、ビジネスマナーや人とのコミュニケーションの方法など基礎が伴っていないために、仕事がうまくいかない場合も。

障害理解を深めないまま転職を行っても、仕事を円滑に進めることが出来ないかも知れません。

継続的な就労をするためには、職業準備性ピラミッドをしっかりと築くことが大事です。

しっかりとした土台がないと、職業に対する適性があったとしてもすぐにピラミッドは崩れてしまいます。

職業準備性ピラミッド ぐらぐら

まずはしっかりと健康管理をし、継続的な就労が可能になるように準備しましょう。

企業とのミスマッチング

誰でも自分にどんな仕事が向いているのか客観的に判断するのは難しいものです。

経験がある仕事が自分に向いている仕事とは限りませんが、未経験の仕事にチャレンジするのも勇気が要ります。

「とりあえず、書類が通ったところに面接に行けばいいか。」そんな求人の選び方をする人・・実は以外に多いんです。

そんな動機では面接に通ることもないのですが、万が一通ったとしても長くは続かないのは予想できますよね。

企業とのミスマッチをしないためにはしっかりとしたプロセスをふんで、自分自身についての整理を行い転職の準備する必要があります。

障害者の転職は本当に難しいの?

過去10年間の民間企業における雇用状況をグラフにしました。

民間企業における障害者の雇用状況

2012年には38.2万人だった雇用人数が、法定雇用率が上がるとともに増えていき、2021年には59.8万人と約1.5倍以上となっています。

また民間企業だけでなく、公的機関、独立行政法人などいずれも前年を上回り、コロナ禍ではありますが、法定雇用率が引き上げられたこともあり、障害者雇用のマーケットは「拡大している」と言えます。

障害種別による雇用状況

精神障害者雇用

令和3年 障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)からわかることは雇用人数だけではありません。

雇用人数の増加は身体障害者は前年比0.8%増、知的障害者は 対前年比4.8%増。精神障害者は前年比11.4%増と、障害種別で大きな差があることもわかります。

これは2018年4月より、精神障害者も雇用義務化の対象に加えられたことが大きな要因となっています。今後も精神障害者の雇用は増えていくのではないかと思います。

企業規模別 実雇用率

民間企業の法定雇用率は現在2.3%です。2021年度の企業規模別の実雇用率は以下になります。

企業規模実雇用率
43.5~45.5人未満1.77%
45.5~100人未満1.81%
100~300人未満2.02%
300~500人未満2.08%
500~1,000人未満2.20%
1,000人以上2.42%

法定雇用率を達成しているのは1000人以上規模の企業となっていて、中小企業に対しては障害者雇用へ対するサポートや業務の創出などの課題が問題となっています。

産業別の雇用状況

法定雇用率が上がることで、以前に比べて障害者雇用が売り手市場になっているのは確かです。

しかしコロナ禍による企業のビジネス環境の変化もあり、雇用の多い職種や働き方にも変化があります。

コロナにより雇用の減った産業

宿泊業、飲食サービス業

生活関連サービス業、娯楽業

複合サービス事業

コロナにより雇用の増えた産業

医療、福祉

農、林、漁業

電気・ガス・熱供給・水道業

障害者雇用に限ったことではありませんが、社会情勢は採用市場と密接なかかわりがありますので、アンテナをはる必要があり、仕事選びにも注意が必要です。

ここまで障害者雇用市場における現状についてお伝えしてきました。

コロナの影響もあり、職種選びには注意が必要なものの、以前に比べ障害者雇用が売り手市場でもあることがわかりました。

しかし内定をいくつももらう人がいる一方で、転職活動に難しさを感じている人がいるのも事実です。

転職を成功させるおすすめの3つの方法

さて障害者の転職が難しい5つの理由がわかったところで、次は転職を成功させるための対策を練っていきましょう。

転職エージェントを利用する

転職の準備から内定をもらうまで、仕事をしながら自分一人でやりきるには相当の覚悟と労力が必要なことがわかりました。

そのため「障害者の転職は難しい」と感じる方がいるのもうなずけます。

まずは、それらの労力を軽減するため、転職サポートのプロに伴走してもらう方法を紹介したいと思います。

それは転職エージェントを利用することです!

なんと転職エージェントに登録することで無料で希望に合った求人の紹介や、転職活動に必要なサポートを受けることが可能なんです。

ハローワークには公開されていない非公開求人も多いのもオススメの理由ですよ。

なぜ無料でサポートサービスが受けられるかというと、企業は転職エージェントに求人依頼をし、紹介された求職者を選考します。

転職エージェントは企業へ求職者を紹介し、企業が求職者を採用した場合にその成果報酬を企業から得ることが出来るといった仕組みになっているからです。

転職エージェントしくみ

転職エージェントによっても紹介できる案件が違いますので、複数のエージェントに登録をすると効率よく転職活動ができるのでおすすめです。

おすすめの転職エージェント

  • LITALICO仕事ナビ  非公開求人数も多数 専属キャリアアドバイザーがマンツーマンで転職をサポート!
  • 障害者雇用バンク  業界最大級求人数!リモート就職サポート! 在宅のままスマートフォンだけでOK
  • dodaチャレンジ 大手の求人多数 安心のdodaブランド!専任のキャリアアドバイザーがサポート!

トライアル雇用を利用する

企業とのミスマッチをなくしたい!

そんな人におすすめな対処法はトライアル雇用制度の利用です。

障害者トライアル雇用制度とは、就職を希望する人が、原則3ヶ月から最大6ヶ月間、企業でお試しで実際に働いてみるという制度です。

トライアル雇用期間中に仕事や職場の環境に慣れ、終了後に本人と会社の双方が希望すれば、継続して働き続けることができます。

加えて、トライアル雇用期間中は、給料が支払われるため、収入を得ながら、自分に合った仕事を見つけることができるので転職活動中の経済面が心配な人にもおすすめですよ。

要件や申し込みなどのながれについてはこちらの記事を参考にして下さいね。

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就労移行支援を利用する

障害理解を通して特性に対する対処法や体調管理を学んだり、継続的な就労のためのスキルアップなど、しっかりと就労のためのトレーニングから始めたいという人には就労移行支援サービスの利用をオススメします。

就労移行支援事業所のタイプは3つ!

就労移行支援3つのタイプ

就労移行支援事業所には大きく3つのタイプに分けることができます。

就労移行支援3タイプ

一般型

・多岐にわたったプログラムが用意され、就労に必要な様々なスキルを高めることができる。

・自己理解やセルフマネジメントなど就労に必要なセルフコントロールなどを身につける様々なプログラムが用意されていることが多い。

専門スキル特化型

・IT関係のスキル特化型が多い。

・専門的なスキルを身につけるためのプログラムが用意されている。

・資格取得のためのノウハウがある。

障害種別特化型

・障害の種類に特化したプログラムが用意されている。

・同じ障害を持つ利用者と安心して訓練を受けることができる。

・事業所自体がその障害に深い理解があり、利用しやすい。

自分の目的あった事業所を選ぶことが大切です。

おすすめの三大就労移行支援

就労移行支援 よくある質問

一般就労を希望する障害のある方へ、就労に必要なスキルを身につけるためのプログラムを提供し、就職活動、職場への定着支援を行う福祉サービスになります。
障害者手帳を持っていない方でも、医師の診断や定期的な通院を行っていれば、利用可能な場合があります。
事業所によっても違いがありますが、週1回から通えるところも多いです。生活リズムを整えながら無理のない範囲で通い始め、様子を見ながら就労にむけた準備を整えていきましょう。 専門的なスキルの取得を目指す場合などは、ある程度の通所回数が決められている場合もあるので確認しましょう。
利用料金は世帯所得(本人と配偶者)に応じて、「負担上限月額区分」が決められています。
区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯(注1) 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)。 9,300円
一般2 上記以外 37,200円
現在の状況やご希望によって様々ですが、早い方で半年ほど、じっくりと時間をかけてトレーニングしたい方やスキルの習得を目指す方は1年半~2年通われています。 すでに就職の準備が整っており、早期の就職を考えている方は転職エージェントをお勧めします。障害者向け 就職・転職エージェントおすすめ6選
原則として2年間です。 就労移行支援を1年間利用して就職後、離職。再び移行支援を利用する場合は残りの1年を利用できます。 場合によっては1年の延長が許可されることもあるので、まずは相談することが大事ですね。
コミュニケーション、障害理解、自己理解などの講座。ビジネスマナー、PCスキル、企業実習などの就労に必要なスキルを身につけるためのプログラム。応募書類の作成、面接練習など就活に必要な対策など多岐にわたったトレーニングがあります。 事業所によって強みが違うので複数の事業所に見学に行きしっかりと選びましょう。 タイプ別 就労移行支援ランキング
障害の特性として通勤がハードル高く感じる方もいるでしょう。在宅訓練可能な事業所も増えてきています。 事業所に確認することをおすすめします。
昼食の補助がある事業所もあります。 事業所によりますので確認してみましょう。 【東京】昼食提供・交通費補助あり!のおすすめ就労移行支援事業所
原則的には就労移行支援は働くために必要なトレーニングやサポートを受ける場ですので、すでに仕事をされている在職中(休職中)の方は利用できません。 ただし、自治体や事業所が支援が必要と認めてくれれば利用が可能です。例外の対応ですのでハードルは高いと言えます。 在職中の方で転職を考えている方は障害者向けの転職エージェントの利用も検討しましょう。 就職・転職エージェントおすすめ6選

結論 障害者の転職は適切なサポートがあれば大丈夫!

この記事では、障害者が転職をする際の5つの難しさと3つの対処法についてお伝えしてきました。

「自分らしく」働きたいと思うことは障害の有無に関係ありません。

障害の特性に対する対処法を自分自身が理解することができないと企業に配慮を求めることも難しく、継続した就労につながらない可能性もあるので、自分一人で悩まずに自分に合ったサポートを受けながら転職活動を進めましょう。

自分自身のこれまでについて整理し、キャリアを棚卸したり、やりたいことに向けてスキルアップを考える機会をもつことで新しい道も見えてくるかもしれません。

自分合ったサポートを受け、無理なく転職活動ができるよう応援しています!

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