- 新しい環境や状況になじめず不安やストレスを感じることが多い・・
- 段取りを考えることや、優先順位をつけられず仕事が思うようにできない・・
- 想いをうまく伝えられず、相手に誤解されることが多い・・
大人になって「発達障害かもしれない…」と気づく人は少なくありません。
発症自体は大人になってからということはないのですが、環境の変化によって気づくこともあるようです。
今回は、大人の発達障害がどのようなものか、検査はどこで受けられるのか、発達障害検査にかかる費用は高いのかなどを解説していきます。
大人の発達障害とは
大人になってから発達障害に気づくパターンはいくつかあります。
・周囲の理解があり社会に出てから困るようになった
・仕事が苦手分野だった
・うつ病などの二次障害がきっかけ
先述の通り、発達障害は大人になってから発症することはありません。
それでも大人になってから気づくのは周囲の環境等の影響もあると言われています。
ただし、幼少期のエピソードが思い出せない場合等は、確定診断が難しいため「発達障害傾向」「グレーゾーン」とされることもあります。
発達障害検査とは
「発達障害検査」という名称の検査はなく、問診や知能検査、心理検査などから医師が総合的に判断します。
発達障害の問診とは?
現在のことだけではなく、幼少期のこと(成育歴)や家庭の中に精神疾患を持つ人がいるかなどを医師が質問することです。
内科と異なり、過去のことも聞かれるので「今のことで相談にきているのに」と思う人もいるでしょうが、発達障害の診断には必要なことなので、細かく聞かれることが多いでしょう。
知能検査はなんのため?
大人の場合は「WAIS」という検査を実施します。
知能検査とは、個人の得意なことや苦手なことを客観的数値として明らかにする検査です。個人のことですが、WAISは同年代のデータとも比較できるので、本人の特徴をより把握できます。
これらは、不得意なことだけを調べるのではなく、得意なことも合わせて把握することで今後の対策を考えるヒントにもなります。
心理検査もあわせてさらに詳しく
知能検査も心理検査なのですが、実はWAISだけでは確定診断はできません。
WAISと問診で診断することは可能ですが、さらに細かく見るために心理検査を合わせて行うクリニックや病院も多いです。
医療機関では、スクリーニング検査と評価診断関連の検査、場合によっては性格検査なども実施することがあります。
スクリーニング検査
質問内容に回答していき発達障害の可能性があるかどうかを判断する簡易的な検査。
評価診断検査
スクリーニング検査よりもさらに専門的な視点で作られた診断基準に基づいた検査。
性格検査
個人の物事の捉え方や考え方などを把握するための検査です。質問紙の場合もあれば絵を描いたり、文章を書いたり、絵を見て答えたりなど様々な方法があります。
診断基準に基づいた検査は時間がかかりやすいため、多くの場合はスクリーニング検査と知能検査、問診で診断されるようです。
発達障害検査が受けられる場所
病院やクリニックで受けられます。
支援センターや就労移行支援事業所でも受けられますが、診断名がつくわけではないです。生き方や仕事の仕方の参考程度にしたい人は、医療機関以外でもいいかもしれません。
病院やクリニックの探し方は、「発達障害 検査 ○○(地域名)」を入れると出てきやすいですが、発達障害者支援センターなどでリストに載っている専門機関を探すという方法もあります。
検査費用は?高いの?
受ける検査の種類や数によって異なりますが、1万~3万円くらいが相場です。
幅広い理由としては、報告書や検査者による説明の費用はクリニックごとに設定できることと、検査の組み合わせによっては保険適用外の検査もあるため、幅広くなります。
安い方がいいと思うかもしれないですが、検査内容は充実していた方がよいでしょう。
また、報告書も少なくとも1部はもらっておく方が自分のためにも提出が必要になったときにも便利だと思われます。
検査前によくある質問
大人の発達障害検査 まとめ
今回は大人の発達障害の検査について解説しました。
発達障害の人は生まれつきの 脳の発達のかたよりによって、生きづらさを感じることがあります。
「なぜ生きづらさを感じるのか。」その原因がわかることで対処法を考えやすくなります。
視力が悪い人はメガネをかけますが、自分が近視、遠視、乱視なのかわからないと、最適なレンズを選ぶことができませんよね。
発達障害にも様々な特性がありますので、検査によって自分の得意や苦手をはっきりさせることで、向いている仕事や向いていない仕事なども知ることができるでしょう。
医療機関によっては検査を受けるのに1~3ヵ月以上待つ場合もあります。
自分の特性についてしっかりと診断をしてほしいと思ったら早めに受診するようにしましょう!
さらに、特性によって人とコミュニケーションが取りづらかったり、仕事が長続きしないといった悩みがある場合は就労移行支援の利用をオススメします。
最近では発達障害に特化した就労移行支援事業所も増えています。
自分自身の障害特性をしっかりと知ることで、企業に対して配慮を求めやすくなりますし、自分自身の対処法を知っている人は企業側も採用しやすいので継続した就労を目指すにはおすすめです。