強迫性障害を理由に、仕事の継続を諦めている方はいませんか?
強迫性障害は適切な治療とケアで治すことも可能です。
仕事を継続するためのポイントを知ることで、仕事を続けるための自分なりの工夫ができたり、サポート機関を頼るタイミングがわかりますよ。
今回は強迫性障害の人が仕事を続けるために知っておきたい、7つのことをご紹介します。
仕事の継続をあきらめてしまう前に、できることから取り組んでみませんか?
強迫性障害の人が仕事を継続するために知っておきたい5つのこと
まずは知っていただきたい5つのことをお伝えします。
1.異変に気づいたら早急に医療機関へ
おかしいと思ったら、すぐに医療機関へ行きましょう。 先延ばしにすると、仕事継続できないほどの症状悪化リスクがあるからです。
2.勝手に服薬や通院をやめない
医師の診断なしで、服薬や通院をストップしないでください。仕事が継続できるほど良好でも、強迫性障害の症状がぶり返す恐れもあるからです。
3.治っても症状が出たら主治医に相談
治っても症状が現れたら、主治医や支援者へ相談してください。放っておくと、仕事を辞める可能性があるからです。
自立支援医療制度
治療の期間によっては医療費が負担となる方もいらっしゃるでしょう。
自立支援医療制度は精神疾患の治療や再発予防に通院が必要な人向けの、自己負担額軽減制度です。市区町村の障害福祉課へ、申請します。利用可能になると、医療費の自己負担が3割から1割になるためお得です。
4.悩み相談ができる機関を頼る
悩み相談ができる機関を頼りましょう。1人で抱え込むと堂々巡りになり、手遅れになる危険性があるからです。
また各種福祉サービスを利用するために、障害福祉サービス受給者証や障害者手帳を取ることも検討しても良いと思います。
経済面や生活面のサポートを受けることで症状を安定させ仕事の継続が
障害福祉サービス受給者証の取得
障害福祉サービス受給者証の申請は、居住している市区町村の障害福祉課や障害保険福祉課などの福祉を担当する課です。
障害者手帳を取得していなくても受給者証があれば受けられるサービスも多いです。
精神障害者保健福祉手帳の取得や障害年金の受給
市区町村の障害福祉窓口で申請し、精神障害者保健福祉手帳の取得をおすすめします。様々なサービスを受けられるからです。
税金の控除や公共交通機関の割引で金銭的な負担が減り、仕事が続けやすくなります。手帳があれば、障害者雇用で強迫性障害に理解のある 職場で継続勤務も可能です。
また、条件が揃えば障害年金を受給することもできます。若い人も仕事に就いていても、症状により生活や仕事などが制限されていると認識されれば給付される可能性があるため相談してみましょう。
強迫性障害の人は障害者手帳を取れる?障害年金はもらえるの?
悩みを相談できるホットライン
第三者の意見を聞くと視野が広がり解決に繋がったり、 話を聞いてもらうだけで心が軽くなったりします。
5.一度休職し、落ち着いてから復職をする
休職し、復職する手もあるでしょう。便利な制度もお伝えします。
病気休暇制度
職場に病気休暇制度があれば、医師の診断書を 提出し使いましょう。休職可能な期間は、約数ヶ月〜2年が多いです。給料の有無は、各会社の就業規則によって違います。
健康保険の疾病手当金
健康保険の疾病手当金は、会社の総務や人事を通じて全国健康保険協会とやり取りを行い申請・相談します。一般的には基本給の7割を、1年6ヶ月間もらえるパターンが多いです。
勤務先次第では、金額や期間が違う場合もあります。休職で給料が出ない間の収入源になるため、貴重です。
年次有給休暇
年次有給休暇は、6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した方へ付与されます。休んでも、出勤と同等に給料がもらえる制度です。
療養で長期間ほしい場合は医師の診断書を求められる可能性もあるため、準備しておきましょう。勤務年数次第で、年に20日付与される場合もあります。非正規雇用者も適用される可能性があるため、職場に確認してみましょう。
仕事が継続できなくなったら転職の道もある
どうしても仕事が継続できないときは、転職の道もあります。強迫性障害起因で退職した場合、雇用保険(失業保険の基本手当)をもらいましょう。
健康保険の疾病手当金とは同時に受け取れません。また自己都合退社と解釈される場合には、3ヶ月間の給付制限があるので注意が必要です。
障害者手帳をお持ちの方は「就職困難者」として通常よりも長い期間受給できますので、ハローワークに一度問い合わせて下さいね。
また、転職活動を始める前には、就労の準備が整っているかしっかりと確認することが必要です。
準備が不十分なまま就職するとまた休職をするようなことになるかもしれません。
仕事を始めるにあたって、就労移行支援を利用して自己理解を深めたり、必要なトレーニングを受けることも仕事を継続させるためにはおすすめです。
仕事選びの3つのコツ
続いて仕事選びのコツです!
不向きな仕事の理解
自身の強迫性障害における特性を認識し、不向きな仕事を避ける必要があります。挫折し退職を避けるためです。
概ねマイペースを保てない、ミスが一大事になる、確認作業が多い、汚れに触れる仕事は向きません。
例えば下記です。
- 清掃員
- ミスNGのデータ入力業務
- 確認事項が多い事務職
ぴったりな仕事を知る
強迫性障害にぴったりな仕事を選ぶチェックポイントは、以下です。
- 自分自身の仕事の遅延が周囲に影響を及ぼさないか
- ミスが許されるか
- マイペースに1人で完結できる仕事か
- 確認の工程は少ないか
- 強迫行為が出ても仕事に問題はないか
また強迫性行為の種類によって、向き不向きは違います。例えば見逃しやミスが不安な方は、 人との関わりは比較的大丈夫で、単純作業や 自身のアイデアが活かされる仕事の方が得意な傾向です。
潔癖の特徴がある場合は、他者との協力業務や汚いものに触れる作業は嫌で仕方ないでしょう。フリーランスや在宅でできる仕事向きです。例えば一例に、次のような仕事があります。
- 成果報酬型の営業職
- システムエンジニアやプログラマー
- Webデザイナー・ライター
- 警備員
- 工場のライン業務や軽作業
まとめ:自分に合ったサポートサービスを利用しよう
強迫性障害の人が仕事を継続させる7つのポイントをお伝えしました。
工夫をしても仕事の継続が難しいようであれば、休職をして症状を落ち着かせたり、自分に合った仕事に転職をする選択肢もあります。
向いている仕事、苦手な仕事についても紹介させていただきましたが、これらは個人差があり、実際にはやってみないとわかりません。
不安な方は、就労移行支援サービスでサポートを受けることも可能です。職探しや訓練を積み、就職までのサポートをします。
また障害者手帳をお持ちの方で、すでに就労の準備が整っている方は転職エージェントを利用して、専門家のアドバイスをうけながら転職を考えてもいいでしょう。
障害をもっていても、自分に合ったサポートを受けながら「自分らしく働く」ことを応援しています。
就労移行支援事業所選びに失敗したと感じている利用者の声で多く聞かれるのが「事業所の雰囲気が自分には合わなかった」「自分の受けたいプログラムがなかった」「障害の特性を考慮してくれなかった」といったものです。
就労移行支援事業所は、自主的な活動を中心とした所から、障害の特性に合わせた個別サポートを強化している所まで様々。事業所選びに失敗しないためには、「自分の通える範囲にどんな事業所があるのか」をしっかりと調べることが重要なのです。
就労移行支援は原則2年しか利用できないサービスなので、事業所選びに失敗したくはありませんよね。
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