- 突然起こる恐怖感や不安感に押しつぶされそう・・・
- 常にある不安がストレスで落ち込んでしまう・・・
- 呼吸や鼓動が早くなり苦しくて仕事に支障をきたしている・・
パニック障害の動悸や過呼吸、強い不安などの繰り返し起こる症状は「なぜ自分だけこんなになってしまったのか・・・」と絶望さえ感じさせてしまいます。
パニック障害は誰でもなる可能性はありますが、「なりやすい人」もいます。
パニック障害になりやすい人の特徴として、ストレスが多いことはよく知られていますが、体質や生活習慣なども関係しています。
特徴を自分と照らし合わせてみることは、障害を冷静に受け止める手助けとなりますので、ぜひこの記事を読んでみてください。
この記事では
- パニック障害になりやすい人の特徴
- パニック障害の人に向いてる仕事
について解説しています。
(パニック障害という病名は、2013年に米精神医学会の診断基準で『パニック症』に変更されましたが、ここではなじみのある『パニック障害』を使用しています。)
パニック障害になりやすい人の特徴
パニック障害になりやすい人は、不安や恐怖をコントロールする神経伝達物質がアンバランスになりやすい人です。
不安や恐怖を引き起こす神経伝達物質はノルアドレナリンです。ノルアドレナリンをコントロールする神経伝達物質はセロトニンで、不安を抑えて平常心を保つように働きます。
パニック障害では、ノルアドレナリンとセロトニンのバランスが乱れることで発症すると考えられています。
パニック障害になりやすい人、つまり神経伝達物質のバランスが崩れやすい人の特徴としては以下のものがあります。
パニック障害になりやすい人
- ストレスが多い
- 不安を持ちやすい体質・気質
- 不規則な生活や偏った食事をしている
- ホルモン分泌が変化しやすい女性
ただしこれらの特徴があったからパニック障害になるというわけではなく、色々な要因が重なって発症に至ります。
ストレスが多い
ストレスは、脳の恐怖を感じる部位にダメージを与えます。強いストレスが重なるうちに過敏になって、ささいなことでも恐怖や不安を感じるようになります。
不安を持ちやすい体質・気質
家族にパニック障害の人がいる場合、発症する確率が高くなります。
パニック障害は、根底には不安があると言われています。不安を持ちやすい体質・気質を遺伝的に受け継ぐ、または同じ生活習慣の中で同じような考えや気質になることが考えられるのです。
不規則な生活や偏った食事をしている
不規則な生活や偏った食事は、脳の神経伝達物質の分泌に支障をきたすだけでなく、ストレスを与えます。これだけではパニック障害になりやすいとは言えませんが、環境などの外的要因や不安気質が重なると、発症する確率が高くなります。
特に糖分の量が多い、睡眠不足、たばこやお酒などに依存している場合は体や脳へのストレスが大きく、注意が必要です。
ホルモン分泌が変化しやすい女性
パニック障害の罹患率は男性よりも女性が多いです。
はっきりした理由は不明ですが、月経や妊娠、出産などの影響によるストレスやホルモンの大きな変化が関係していると考えられています。
パニック障害の人が仕事をする上でのポイント
仕事を選ぶうえでのポイントは、以下の通りです。
- ストレスやプレッシャーがない
- ケガや事故など、二次的被害がない
ストレスやプレッシャーがない
ストレスやプレッシャーになり得る要因には
- 対人関係
- 危険な作業
- 責任感を伴うもの
- ノルマや納期
などがあります。
これらは過剰なストレスを招きやすく、症状を悪化させる原因になります。「これまでは大丈夫だった」「自分がやらないといけない」などと思わず、自分の現状でできる、無理のない範囲で仕事をしましょう。
ケガや事故など、二次的被害がない
危険物の取り扱いや車の運転などが必要な業務は、症状が起きてしまうと自分自身だけでなく、他人も危険な状態になる可能性があります。
また「慎重にしなければいけない」といった緊張感は大きなストレスです。ケガや事故などの大きな問題の可能性につながる仕事は避けましょう。
パニック障害がある人に向いてる仕事
パニック障害がある人に向いている仕事は、自分のペースで集中して取り組める作業が向いています。
とは言え、同じ業務であっても、職場によって内容ややり方が違います。またパニック障害に対する認識や配慮も違うので、事前に業務内容や特徴などを確認しなければいけません。
一般就職が難しい、自信がないといった場合の時は、障害者の制度を利用した障害者雇用枠や就労支援施設を選ぶ手段もあります。
自分のペースでできるもの
ストレスやプレッシャーがあまりなく、自分のペースで黙々とできる仕事は以下のものがあります。
- 入力作業や書類作りなどの事務作業
- プログラミングやウェブデザインなどのパソコン作業
- ピッキングや商品陳列などの軽作業
- ノルマや納期がない在宅ワーク
この中でも軽作業は、体を適度に動かせるという点でオススメです。
パニック障害の慢性期は疲労感が強くなります。疲労には乳酸が関係していると言われていて、適度な運動が乳酸の代謝に役に立つからです。
障害者の制度を利用したもの
障害に対して配慮のあるものは
- 障害者雇用
- 就労継続支援
などがあります。
障害者雇用
一般就労には、
- 一般雇用
- 障害者雇用
があります。
障害者雇用は、障害者求人枠で働くことで、障害について開示する必要があります。また、応募には精神障害者保健福祉手帳の所持が必要です。
障害者雇用を行う会社は、ハローワークや地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどと連携しており、障害を受け入れる体制を整えています。
入社にあたって、実習やトライアル雇用もありますので、ハローワークに問い合わせてみるといいでしょう。
また一般就労に向けてトレーニングができる就労移行支援の利用もオススメです。
就労移行支援事業所選びに失敗したと感じている利用者の声で多く聞かれるのが「事業所の雰囲気が自分には合わなかった」「自分の受けたいプログラムがなかった」「障害の特性を考慮してくれなかった」といったものです。
就労移行支援事業所は、自主的な活動を中心とした所から、障害の特性に合わせた個別サポートを強化している所まで様々。事業所選びに失敗しないためには、「自分の通える範囲にどんな事業所があるのか」をしっかりと調べることが重要なのです。
就労移行支援は原則2年しか利用できないサービスなので、事業所選びに失敗したくはありませんよね。
資料請求や、見学を行って事業所を比較するところからはじめてみましょう。
2分で資料請求完了です
おすすめ就労移行支援
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就労継続支援
就労継続支援事業とは障害福祉サービスの一つで、通常の事業所に雇用されることが困難であり、障害特性に応じた支援を受けながら訓練や仕事を行う場です。
就労継続支援にはA型とB型の2つの種類があります。条件に応じて利用できるところが違いますので、利用の際はお住まいの障害福祉課に問い合わせましょう。
まとめ
パニック障害は障害年金の対象外(例外あり)であることを考えても、できるだけ長く続けられる仕事を選ぶ必要があります。
障害者の制度などもうまく利用しながら、自分に合い自分らしく働ける仕事を探していきましょう。
おすすめ関連時期
参考サイト
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構/精神障害者雇用管理ガイドブック
参考書籍
患者のための最新医学 パニック障害 正しい知識とケア/坪井康次/髙橋書店
パニック症と過呼吸 発作の恐怖・不安への対処法/稲田泰之/㈱講談社
よくわかるパニック症・広場恐怖症・PTSD/貝屋久宜/㈱主婦の友