- 同じ立場の人に共感して欲しい・・・
- 同じ悩みを抱えた人と交流して孤独感を軽減したい・・
- 同じ境遇の人を支援することで自己効力感を得たい・・
最近「ピアサポート」や「ピアサポーター」という言葉をインターネットなどで目にする機会が増えてきたのではないでしょうか?
ピアサポートとは、同じ困難を抱える人同士の支え合いを意味します。そして、障害や疾病といった自分自身の経験を活かしながら支援したり、サービスを提供したりする人はピアサポーターと呼ばれています。
ピアサポートやピアサポーターについて知ることで、社会復帰のヒントが得られるかもしれません。
今回はピアサポート、ピアサポーターについて詳しくお伝えしていきますね。
ピアサポートってなに?
「ピアサポート」という語の意味を少し詳しく見てみましょう。
日本では、病院内での治療を中心とする「医学モデル」から地域に根ざした「生活モデル」に移行する中で、特に精神保健福祉の分野で「ピア」や「当事者」という言葉が使われるようになりました。それと共に、2000年代からピアサポートが見受けられはじめます。
英語では「peer support」と書きます。
peerには「仲間、対等」、supportには「支援」という意味があります。
ここから「仲間同士の支え合い」という訳になっているのですね。
精神障害の分野でピアサポート、と使う場合には「同じ障害を抱える人同士で支え合う活動」を意味します。
障害を抱えて生きていると疾患特有の悩みや、障害を抱えていない人には思いもよらないことが困難として降りかかります。
共感してもらえない、悩みが誰にも伝わらない当事者は孤立を深めていきます。
そんななかで、ピアサポートは「心が安らぐ場」となるでしょう。
なぜなら、自分と同じ障害や困難を抱える人の存在を知り、当事者同士でしか分かり合えない生きづらさを共有できるからです。
ピアサポーターとは?
次に、ピアサポーターについて説明します。
ピアサポーターとは、自分も障害や病気の経験があり、そうした経験を活かしながら同じ境遇にいる人をサポートする人のことです。
当事者ならではの経験を持ち、サポートする相手と「仲間」としてかかわり、「対等」に接することがポイントです。
ピアサポーターにはいろんな人がいますが、活躍している人の中には、ある程度自分の障害をコントロールしながら社会生活を送っている人もいます。
このような人の存在は、「自分もこんな風になれたらいいな」と希望を持つきっかけになるかもしれませんね。
ピアサポートの3つの役割
1つずつ見ていきましょう。
1. 胸に響く情報が得られる
インターネットにはたくさんの情報があふれているため、障害や病気に関する一般的な情報を集めることは可能です。
しかし、障害とともに生きる中で抱える日常的な悩みや、苦悩についてはどう対処するのが良いか困ったことがある方も多いのではないでしょうか?
同じ悩みを持っている人、同じ苦しみを経験した人から発信される情報は胸に響くものがあり、障害への理解を深めるきっかけとなるでしょう。
2. 仲間意識を育む
障害を抱えて生きていると、心細くなるときがありますよね。
でもピアサポートを利用すれば、同じ障害を抱える仲間にいつでも出会えます。
不安なときに語りあうこともできますし、障害を抱えながらもイキイキと支援活動をしているピアサポーターから勇気や励ましの感情をもらい、前向きな気持ちの維持につなげられるはずですよ。
3. 社会的な訓練を行う
障害を抱えて生きていると薬の副作用や意欲の低下などのために規則正しい生活を送ることが難しくなります。
生活習慣を整えるのは社会復帰の第一歩ですが、1人で行うのは正直難しいですよね。
でもピアサポートなら、同じ障害をもつ方同士で励まし合えますし、感情や欲求のコントロールなど就労に向けたトレーニングを行うこともできます。
以下はあくまで一例ですが、それぞれの障害の特性に応じた居場所づくりが展開されています。
地域別のピアグループについて興味がある方はコチラをチェックしてみてくださいね。
まとめ
同じ障害を持つ方同士で支援し合うピアサポートを利用すれば「障害への理解を深め、辛いときに支え合い、仲間と協力して就労へ向かう」大きな機会となるでしょう。
もちろん、ピアサポーターとしてご自身の経験を生かして仲間と支え合うのも素敵な選択肢だと思います。
1人ではない、と思えることがあなたの「力」に変わるはずです。ピアサポートでの活動を通じて社会とのつながりを持ち、徐々に社会復帰を目指してみませんか?