回避性パーソナリティ障害の方は不安や恐怖心が強いという特性があります。
- 仕事に誠実に取り組み完璧にこなそうと思うがあまり不安におそわれ、逃げ出したくなってしまう
- 仕事上のささいな指摘であっても非難、批判に感じ傷ついてしまう
- 人より劣っている、どうせ失敗するなど自信がもてず新しい業務に取り組めない
このような障害による特性のため、仕事が長く続けることができず転職をくり返している人も少なくありません。
今回は、回避性パーソナリティ障害の人に向いている仕事7選をご紹介します。また
自分に向いている仕事を見つけて、安定して長く続けられるようにしたいと考えている人や、回避性パーソナリティ障害のご家族やパートナーの向いている仕事を探している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
回避性パーソナリティ障害とは?
回避性パーソナリティ障害とは、パーソナリティ障害の一種です。
パーソナリティ障害は3つの群に分けられ、それぞれ「A群:独特の感性を持つ」「B群:感情的に周囲を巻き込む」「C群:不安や恐怖心が強い」という特徴を持ちます。そのなかのC群に回避性パーソナリティ障害に分類されています。
A群:独特の感性を持つ
妄想性(猜疑性)パーソナリティ障害
統合失調型パーソナリティ障害
統合失調質(シゾイド)パーソナリティ障害
B群:感情的に周囲を巻き込む
境界性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害
反社会性パーソナリティ障害
C群:不安や恐怖心が強い
回避性パーソナリティ障害
依存性パーソナリティ障害
強迫性パーソナリティ障害
パーソナリティ障害のC群
C群は回避性パーソナリティ障害以外に、依存性パーソナリティ障害と強迫性パーソナリティ障害があります。
全てに共通することは強い不安感や恐怖心です。
依存性パーソナリティ障害は、その名の通り他人への過度な依存が特徴と言われています。
一方で強迫性パーソナリティ障害は、独自のルールに強くこだわることが特徴です。
では、回避性パーソナリティ障害はどんな特徴を持っているのでしょうか?
回避性パーソナリティ障害の特徴
回避性は、失敗や否定を過度に恐れていることが特徴です。
劣等感が強く、不安や緊張から人との交流を避ける傾向があります。
回避性パーソナリティ障害は社交不安障害の合併症も多いと言われ、引きこもりと言われる人たちのなかに当てはまる人も多いかもしれません。
この特徴を見ると「就職できない」と考える人もいると思いますが、そんなことはないです。
回避性パーソナリティ障害の人に向いている仕事はありますし、症状への影響が少ない職に就くことで症状の緩和も期待できるかもしれません。
回避性パーソナリティ障害に向いている仕事
向いている仕事は「人と関わることが少ない」「競争する必要があまりない」という2つの特徴のいずれかに当てはまります。この項目では、具体的にそれらの特徴に当てはまる仕事をご紹介します。
清掃
学歴や経歴、スキル等が関係なく勤められるため、色々なコンプレックスを抱えていたとしても始めやすい仕事です。
はじめのうちは先輩と一緒に掃除をすることにはなりますが、基本的には単独作業が多いので回避性向きと言えます。
軽作業などの工場勤務
大きな機械を操作する仕事でなければ、特別な資格の必要はなく、覚える肯定もシンプルなことが多いです。
黙々と何かに集中したり、細かい作業が好きな人は特に向いているでしょう。ただし、立ち作業の場合もあるのでその点は確認しておきましょう。
プログラマー
資格を取得したりスキルを身につける必要はありますが、人と関わることが少なく、手に職を付けられるため安定して働ける可能性も高くなります。
プログラミング技術やそれらに関する資格を学習できる就労移行支援事業所もあるので、利用できる制度を積極的に活用するとよいでしょう。
フードデリバリー
最近はピザデリバリーのようなお店の配達スタッフだけでなく、ウーバーイーツに代表されるようなデリバリー代行サービスも需要が多く、必要なこと以外人と話す必要もなく自分のペースで働けるので気軽に働くことができます。
ただし、天候に左右されたり配達ミスなどのデメリットもあるので、長期的に安定した仕事とするには難しいかも知れません。
webライター
近年増加中のライター業は、依頼人とのやりとりがメールやチャットなど文字のみの場合が多いです。
自宅でもできるので通勤のストレスがなく仕事ができます。
クラウドソーシングサイトなどでお小遣い稼ぎとして始める人も多いですよ。
クラウドワークスやココナラに登録するだけなので、気軽に始められますね。
データ入力
手書きやバラバラの資料を一つのデータに入力する業務がメイン。
マニュアルもしっかりあるところが多いので、初心者でもそれを見ながら作業が進められます。
多くはWordやExcelをしようするため、パソコンスキルが上がるでしょう。
個人事業主
さらに人との関わりを減らすなら「個人事業主」もおすすめです。
ただし、ある程度の実績や営業力も必要となる場合もあります。
まずは上記の職に就いてみてから考えてみた方が良いでしょう。
回避性パーソナリティ障害に向いていない仕事
回避性に向いていない職業には「人と積極的に関わる」「責任が重い」「成果がわかりやすい」という特徴があります。
具体的にどんな仕事が当てはまるのでしょうか?
営業や販売
人とのコミュニケーションが多いだけではなく、クレームや臨機応変な対応が求められるため回避性パーソナリティー障害の方にはあまり向いていない仕事と考えられます。
同様の理由でホテルの受付やグランドスタッフ、美容師なども不向きでしょう。
Webデザイナー
webデザイナーはライターと条件の近い仕事ですが、お客様へのヒアリングなどはweb会議や対面の場合もあります。
個人事業主であれば自分で工夫出来ますが、就職する場合のwebデザイナーは業務内容をしっかり確認しましょう。
教師・医師など責任の重い仕事
責任が重く、過度にプレッシャーを感じるような仕事や時間や期限に追われるような仕事も避けた方が良いでしょう。
回避性パーソナリティー障害に配慮のある職場を選ぼう
回避性パーソナリティ障害のその症状の特性からまわりと上手くいかない、疲れてしまう、仕事が長く続かない、などの悩みを解決する一つの方法として、向いている仕事の選び方をお伝えしてきました。
そして、それ以上に障害に理解のある職場を選ぶことが大切です。
自分でもセルフマネジメントをしながら努力していることを理解してくれる職場であれば仕事も続けやすいですよね。
障害者雇用で長期就労も目指せる
回避性パーソナリティは双極性障害やうつ病などと同様に、精神症状の程度によって障害者手帳を取得することが可能です。
障害者手帳を取得することで「障害者雇用枠」での就労も可能となります。
障害を開示してオープン就労をすることで、プレッシャーやストレスを軽減させ長期的に継続した就労を目指すことも一つの手段です。
一度医療機関で診断を受け、相談してみるのもよいでしょう。
障害者手帳取得について
自分に合った仕事探しなら転職エージェントがおすすめ
障害者手帳があれば障害者向け転職エージェントを利用して無料で就職活動をサポートしてもらえます。
転職エージェントでは、これまでの経歴や希望を聞き取り、求人の紹介や応募書類の添削、面接の練習などのサポートを行なっています。
自分の特性に合った就職先を探すのは想像以上に難しいのはもちろん、客観的な判断ができないまま、またストレスのたまるような会社を選んでしまうこともあるでしょう。
利用は無料ですので一度プロのサポートを受けてみるのも良いでしょう。
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手帳がなくても就労移行支援でサポートを受けることができる
障害者向けの転職エージェントは障害者手帳を取得している人が対象ですが、就労移行支援サービスで就労サポートを受ける場合は必ずしも手帳が必要なわけではありません。
また就職サポートだけではなく、先ほどご紹介したプログラミング学習やWord・Excelを学びたい場合も就労移行支援事業所をおすすめします。
最近では事務職に役立つワードやエクセルといったスキルだけでなく、プログラミングやWEBデザインといったITスキル特化型の事業所も増えてきました。
就労後のサポートをしてくれる場所もあるため、面接が苦手な方や人との関わりに悩みやすい方は就労移行支援事業所を活用しましょう。
よくある質問
就労移行支援利用料
区分 | 世帯の収入状況 | 月ごとの負担額 |
---|---|---|
生活 保護 | 生活保護受給世帯 | 負担額 なし |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 負担額 なし |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)(注2) ※入所施設利用者(20歳以上) グループホーム・ケアホーム利用者を除く(注3) | 9,300円/上限 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円/上限 |
- (注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
- (注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象となります。
- (注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合「一般2」となります。
※その他減免等ある場合があります。お住まいの行政担当課にお問い合わせください。
おすすめの三大就労移行支援
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回避性パーソナリティー障害の方に向いてる仕事 まとめ
今回は回避性パーソナリティー障害のため、劣等感が強く、不安や緊張から人との交流を避ける傾向の強い方へ向いている仕事を紹介しました。
また継続した就労ができるよう、転職エージェントや就労移行支援などの就労サポートを受けて、自分に合った仕事をプロと一緒に探していく方法もありますので、自分らしく働ける場所がきっと見つかると思います。
ストレスやプレッシャーを抱え込ないよう、好きなことを楽しむ時間も上手に作ってくださいね!