解説!障害者手帳とは?種類や対象者、等級、デメリットについて

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障害者手帳 デメリット
  • 自分は障害者手帳の対象になるのかな?
  • 取得できるとしたらどんな等級になるんだろう?
  • デメリットがあるか心配・・

障害者手帳を取得することよって受けられるサービスも多く、メリットも大きいのですが、残念ながら申請すれば、必ず取得できるといったものではありません。

自分は対象なのかな?窓口で断られたりするのかな・・。手帳を持っているって周りの人に知られちゃうの?考え出すと不安にもなりますよね。

この記事では障害者手帳の種類や対象者、等級などについてわかりやすく説明します。

この記事を書いた人

精神保健福祉士社会福祉士のメントスです。

これまでに、なかぽつ(障害者就業・生活支援センター)と就労移行支援事業所で障害のある方の就労をサポートしてきました。

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障害者手帳とは?メリット・デメリットは?

障害者手帳とは、障害によって自立が困難な方や、日常生活に支援を必要とする方に対し交付される手帳です。

障害者としての証明ともなり、福祉サービスを受ける時や障害者雇用枠で仕事を探す際にも必要となります。

障害者手帳のメリット

障害者雇用の枠で就労できるチャンスが増えたり、福祉サービスを受けることができたり、割引が受けられるなどのメリットがたくさんあります。

障害者手帳を取得しているからといって必ずしも障害者枠で就労しなければならないわけでもないので、必要な時だけ手帳を利用してサービスや割引を受ければ良いのです。

障害者手帳取得者推定数

5年に1度行われる生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)のデータから障害者手帳所持者数等(推計値)をグラフにしました。

障害者手帳を取得される方の人数は高齢化が進むにつれ年々増加しています。

また 以前は身体障害者と知的障害者だけが障害者雇用率制度の対象でしたが、2018年4月の改正により精神障害者も雇用率算定の対象に加わったこともあり、今後は精神障害者の手帳取得者も増えていくと思われます。

障害者手帳のデメリット

では、障害者手帳を取得するメリットがある一方で、デメリットはないのでしょうか?

よく聞かれる不安の声を集めてみました。

不安の声

1.手続きが難しくて、自分では取得までたどり着けないのではないか?

2.取得することによって、周りに障害について知られてしまうのではないか?

3.障害をまだ受け入れられていないので先に進むことができない

4.家族に手帳を取得することを反対されている

1.手続きは揃えなくてはいけない書類もあるので確かにハードルが高そうに感じますが、窓口の方も丁寧に教えてくれますので、あまり心配せずに実際に申請に向けて動き始めてみると良いかもしれません。

2.取得することで周りに知られる心配をされる方はとても多いのですが、自分から口外しない限り知られることはありません。

3.障害の受容については、ひとりひとり様々な過程、時間を経ることが多いです。自分ひとりでは向き合うのが難しい場合は、医療機関や就労支援機関などのプログラムを利用するのもオススメです。

4.家族が世間体を気にして反対するという話も聞くことがあります。理解を得るのに時間がかかることのあるかもしれませんが、これについても専門機関の協力を得ると良いかも知れません。経済的な恩恵を受けることがしっかりと伝われば安心される場合もあります。

障害者手帳って見たことある?

今まで障害者手帳を見たことがないという方もいらっしゃいますよね。

障害者手帳イメージ

※こちらはイメージイラストです。

実は自治体ごとに障害者手帳の大きさやカバーの色などが違うんですよ。
最近は3種類の手帳カバーの色を統一する自治体も増えています。

こちらは東京都の手帳です。参考:東京都心身障害者福祉センター

東京都障害者手帳

また、これまではいわゆる手帳型の紙形式のみとされていましたが、平成31年4月の法改正により、カード形式の障害者手帳を交付することができるようになりました。

利用者の希望によって紙形式、カード形式どちらかを選択できます。

カード式障害者手帳

※障害者手帳は、紙型かカード型かどちらか一方しか所持できません。

身体障害者手帳

メントス

まずは身体障害者手帳について説明します。

身体障害者手帳の対象となる障害

身体に障害のある人が所持する手帳です。

身体障害者福祉法に掲げる以下の身体上の障害があって、一定以上で永続することが手帳交付の要件です。

身体障害者手帳の対象

視覚障がい
聴覚又は平衡機能の障がい
音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障がい
肢体不自由
心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障がい
ぼうこう、直腸又は小腸の機能の障がい
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障がい

また手帳の交付は障害の程度や生活動作の支障などにより認定されますので、病名がついているだけでは取得の可否や等級を判断することができません。

身体障害手帳の等級


障害の程度によって、1級から7級までの等級、第1種・2種の種別があり、等級や種別によって受けられるサービスが違います。

療育手帳

メントス

次は療育手帳について説明します。

療育手帳の対象となる障害

療育手帳は、18歳未満の児童は児童相談所、18歳以上の人は知的障害者更生相談所にて知的障害であると判定された場合に交付されます。

療育手帳は、知的障害者福祉法や児童福祉法などが根拠法となっているわけではなく、厚生省事務次官通知 「療育手帳制度の実施について」に基づき都道府県の裁量によって交付されています。

そのため名称は療育手帳としていますが、別名を表記することもでき、東京都や横浜市は『愛の手帳』、さいたま市では『みどりの手帳』、青森県・名古屋市では『愛護手帳』と呼ばれています。

障害の程度は、精神面(IQ=知能検査などの発達検査の結果でわかる知能指数のこと)や生活面、行動面、看護面などを総合的に判断して認定されます。

療育手帳の等級


知的障害の程度によって、最重度、重度、中度、軽度の4段階と第1種・2種の種別があり、その程度や種別により受けられるサービスが違います。

最重度とは、知能指数(IQ)がおおむね19以下で、生活全般にわたり常時個別的な援助が必要。

重度とは、知能指数(IQ)がおおむね20から34で、社会生活をするには、個別的な援助が必要。

中度とは、知能指数(IQ)がおおむね35から49で、何らかの援助のもとに社会生活が可能。

軽度とは、知能指数(IQ)がおおむね50から75で、簡単な社会生活の決まりに従って行動することが可能。

参考資料:愛の手帳について(愛の手帳Q&A)(東京都保健福祉局)

メントス
Q. 最近増えている『大人の発達障害』 療育手帳は取れるの?

A.結論から言いますと手帳を取ることは可能です。

発達障害のある人で、知的障害もある人は療育手帳を取得することができます。

また療育手帳の対象とならなかった場合でも精神障害者保健福祉手帳が取得が可能な場合もあります。

自治体の福祉窓口に相談してみましょう。

以前に勤めていた就労移行支援事業所で発達障害、うつ病の診断を受けていた利用者さん(40代男性)が療育手帳の申請を行ったことがありました。

利用者さんが幼少の頃は今ほど発達障害について理解が進んでいた時代でもなく、困り感はあったものの特別な支援を受けることはなかったそうです。

大人になり就労にも難しさを感じたり、生活にも支障をきたすようになっため手帳の取得について検討された結果、2年ごとの更新手続きに負担を感じることと交通系のサービスの手厚さから療育手帳を申請することになりました。

18歳以上の申請は障害福祉担当窓口へ相談すると聞き取り後、知的障害者更生相談所で心理検査や、医師の診察などを行い、療育手帳交付について総合判定を行うことになります。

利用者さんの場合、IQが90であったことなどから療育手帳を取得することはできませんでした。(その後無事に精神障害保健福祉手帳を取得されました。)

療育手帳は自治体によって判定の基準が違い、同じ症状でも交付する自治体と交付しない自治体があり、対応にばらつきがみられます。

メントス
IQだけで判定されるわけではないので大人の発達障害が一概に療育手帳を取りにくいとは言えませんが、住む場所によって不利益になることのないようになるといいなと思います。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳の対象となる障害

精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患(てんかん、発達障害などを含む)により、長い間日常生活または社会生活への制約がある方が対象です。

手帳は精神保健福祉法にもとづき交付され、精神障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的としています。

対象となるのは全ての精神障害となり、以下のようなものが含まれます。

・統合失調症

・うつ病、そううつ病などの気分障害

・てんかん

・薬物やアルコールによる急性中毒またはその依存症

・高次脳機能障害

・発達障害(自閉症、学習障害、注意欠如多動性障害等)

・その他の精神疾患(ストレス関連障害など)

精神障害者保健福祉手帳の等級

障がい等級は、1級から3級まであり、有効期間は2年間のため必要がある場合には更新手続きが必要です。

1級  精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級  精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級  精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
出典:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

まとめ

今回は障害者手帳の種類や対象者について解説をしました。

障害者手帳 申請の方法についても引き続き解説していますのでぜひ参考になさってくださいね。

また手帳の有無にかかわらず就労移行支援事業所の利用は可能です。

利用中にサポートを受けながら手帳取得の手続きをすすめることもできます。

自己理解を深め継続した就労を目指したい方や、ビジネスマナーやコミュニケーション方法などのトレーニングを受けたい方、特化したスキルを身につけてステップアップを目指したい方などにも就労移行支援の利用はおすすめです。

ご興味のある方は一度見学をされてみてはいかがでしょうか?

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