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「ADHDは障害者手帳をもらえない!」はウソ!申請の方法は?

ADHD 障害者手帳もらえない?

「ADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害は、障害者手帳をもらえない」

そのように思われている方が多くいますが、障害者手帳、正式名称「精神障害者保健福祉手帳」の取得条件はありますが、可能です。

症状や主治医との相談によっては、障害者年金の申請も可能になります。

さらに障害福祉サービスは、手帳の取得をせずとも「受給者証」のみの取得で利用することが可能です。

ただ注意していただきたいのは、発達障害だから必ず手帳がもらえる、というわけではありません。発達障害の疑いはあるが正式な診断が下りていない場合や、条件を満たしていない場合は、手帳の取得が出来ない場合があります。

では具体的にどういう条件なのか? 手帳がなくても利用できるサービスはあるのか?

今回はその疑問にお答えします。

精神障害者保健福祉手帳とは?

ここからは条件、等級、メリット・デメリットについて、厚生労働省による記載をもとに紹介します。

対象となる障害とその条件は?

「長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方」が条件です。長期というのは、初めて診断を受けた日から6か月以上のことを示します。

  • 統合失調症
  • うつ病、そううつ病などの気分障害
  • てんかん
  • 薬物依存症
  • 高次脳機能障害
  • 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
  • そのほかの精神疾患(ストレス関連障害等)

精神障害者保健福祉手帳の等級は?

  • 1級……精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  • 2級……精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
  • 3級……精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

難しく書いてあってわかりにくいですよね。大まかに言うと、1級は援助がないと日常生活を送ることがかなり困難、3級は日常生活に制限はあるが就労が可能な人もいる、というイメージで大丈夫です。

手帳取得のメリット・デメリット

メリットはこのようなものです。ここに挙げているのは全国一律のものであり、自治体によっては追加の免除や補助もあるので、それぞれの自治体を参照してください。

メリット

    NHK受信料の減免

    所得税、住民税の控除

    相続税の控除

    自動車税、自動車取得税の軽減(手帳1級の方)

    生活福祉資金の貸付

    障害者雇用の際に、事業主は雇用率へのカウントが可能

    障害者職場適応訓練の実施

    デメリットは次のようなものです。

    デメリット

    医師への診察、診断書の費用がかかる
    (診断書は病院にもよりますが、5,000~8,000円が一般的。作成にも1~2週間程度の日数を要すこともある。)

    申請の手間がかかる

    2年ごとに更新手続きもある、その際には再度主治医の診断書が必要

    人によっては「障害者手帳」を持つことに抵抗がある、あるいは家族の理解が得られない

      障害者手帳の申請方法は?

      厚生労働省にも説明が記載されていますが、自治体によって細かな違いがあるので、各自の自治体で確認する方が正確です。

      • STEP1
        書類等の準備
        • 申請書。(市町村の担当窓口で入手可能)
        • 診断書、または精神障害による障害年金を受給している場合はその証書等の写し。
        • 診断書は、精神障害の初めての診断日から6か月以上経ってから記載したもの。
        • 本人の顔写真。
        • マイナンバーがわかるもの。
      • STEP2
        市町村の担当窓口に申請
         家族や医療機関関係者等が代理で申請することも可能。
      • STEP3
        審査
         申請後は精神保健福祉センターにおいて審査
      • STEP4
        交付
         審査の結果、手帳の等級が決定され、手帳が交付。

        申請から交付まで、数か月間かかることもあります。

        これも自治体によって1か月だったり、3か月以上だったりするので、手帳のメリットを活用したいとお考えの方は早めに行動する必要があります。ご自身で全てをこなすのが難しい場合は、支援センターに相談すると、相談員が付いてくれてサポートしてくれます。

        障害者手帳がなくてもいい「障害福祉サービス受給者証」とは

        手帳とは異なる「障害福祉サービス受給者証」というものがあります。

        こちらは、手帳がなくても主治医の診断書があれば申請できるものです。言い換えれば、既に手帳を持っていても、サービス利用時には受給者証の交付が必要となってきます。

        受給者証が必要となってくるのは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを利用するときです。

        障害福祉サービスには「介護給付」と「訓練等給付」があります。介護給付は日常生活に対する介護や支援を受けられるサービスで、訓練等給付は自立(一人暮らし)や就労に向けた訓練のためのサービスとなっています。

        実際に就労支援事業所には、「手帳はあるけど福祉サービスの利用は初めてなので受給者証の交付が必要になった」という方や、「手帳はないけど受給者証のみで利用開始した」という発達障害の方もいらっしゃいます。

        障害者手帳がなくてもいい「自立支援医療制度」とは

        障害者手帳がなくても利用できる制度の一つに、自立支援医療制度(精神通院医療)があります。

        精神科への通院や薬代の自己負担額を、1割まで減らせる制度です。発達障害も対象に含まれるので、主治医に申請の旨を相談しましょう。ネックなのは、ここでもまた診断書が必要なので、診断書作成費用がかかってくることです。

        市町村へ申請することになり、交付までに1か月以上かかることもありますが、自治体によっては申請後から交付までにかかった医療費を返金してくれる場合があります。

        精神科や心療内科はそのあたりのことも詳しいので、よく相談してみましょう。

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        ケースによっては障害年金を受給できる可能性も

        発達障害と言っても、症状によって生活への支障は様々です。

        他の精神疾患や知的な障害がないとしても、特性が強すぎるあまり生活や職場で困難を抱えているケースもあります。日常生活でどのような困りごとがあるのか、より具体的なエピソードを主治医に伝えることが大切です。

        現在就労しているからと言っても、就労状況によっては年金受給できることもあります。なので、まずは主治医や障害福祉課や支援センターなど、専門機関に相談してみることをお勧めします。

        ADHDだからといって諦める必要はない!

        「ADHDと診断された。発達障害は精神障害じゃないから、きっと手帳も貰えないし補助も免除もない。日常生活を送るのも難しいのに、安定した収入もない。詰んだ……」

        と諦めるのはまだ早いです。主治医に具体的に話せるか、自治体がどのように判断するかなどによって、結果も変わってきます。

        • ADHDと診断されてひきこもっていたけど、相談員に出会えたことで、手帳の申請や受給者証の発行のサポートをしてもらえて活動の幅が広がった。
        • これまで手帳を持っておらず受給者証のみだったけど、数年後、相談員と一緒に主治医に相談したところ、手帳の申請が通ったし年金も受給できるようになった。

        などという方も少なくありません。とはいえ、ご自分で全ての手続きをするのはしんどいですよね。「その準備が出来ないから障害だって言われてるのに!」と嘆く声も聞きます。その時は、市町村の障害福祉課や、各地にある支援センターを活用しましょう。

        発達障害支援センターは主要都市部にしかない場合もあります。代わりに、より身近なところには障害者サポートセンターや、地域生活支援センターなど、様々な名称の支援センターがあります。どこに行くべきかわからないといった時には、一度、障害福祉課へ相談へ行ってみるといいかもしれません。最近では自治体のホームページにも、支援センターの一覧が掲載されているところもありますから、ネットで調べてみるのもいいですね。

        相談員とつながることが出来れば、相談員が主治医や市町村との調整、書類作成の支援などを行ってくれます。基本的に相談は無料なので、ぜひ活用してみてください。

        参考サイト

          -制度・サービス