
精神的にしんどい期間が長く続くなかで、精神保健福祉手帳の申請や利用について考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、ネット上には「精神保健福祉手帳は3級は意味ない」などの情報もあり、申請する必要がないかもしれないと考えている方もいるかもしれませんね。
実は精神保健手帳3級を取得して得られるメリットはたくさんあります。
- 障害者雇用求人への応募可能
- 公共料金等の割引
- 税金の減免
- 公営住宅申し込み優先
精神保健福祉手帳を申請/利用するメリットについて正しく知ることで精神保健福祉手帳3級が意味がないものなのかどうか、今回の記事を通じて考えていきましょう。
タップできる目次
精神保健福祉手帳とは?
精神保健福祉手帳は、精神疾患による障害が一定期間以上継続した状態にある方が、日常生活に支障が出ている場合に交付される手帳です。
手帳を持つことで、日常生活での支援や様々な優遇措置を受けることができます。
例えば、通院に必要な交通費の補助、生活支援員による自宅訪問、就労支援、就学支援、住宅改修費の助成など、多岐に渡ります。
また、精神保健福祉手帳は医療機関での診察や手続き、公共施設の利用などで、身分証明書として利用することができます。
精神保健福祉手帳の交付には、精神保健指定医(又は精神障害の診断又は治療に従事する医師)による診断書が必要です。継続して支障がある場合には、手帳の更新も可能です。

精神保健福祉手帳は、日常生活での支援や優遇措置を受けることができる貴重な手帳なのです。
精神保健福祉手帳3級を取得できる要件
精神保健福祉手帳3級に該当するのは、以下の要件とされています。
精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
ちなみに、精神保健福祉手帳1級と2級に該当するのは以下の要件です。
- 1級: 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級: 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
精神保健福祉手帳の1級に該当する状態は日常生活を営むことに困難が生じている状態で、様々な支援を受けながら日常生活を維持していくことが望ましい状態と考えることができます。
また、精神保健福祉手帳2級に該当する状態は支援を受けることで、何とか日常生活を営むことができる状態と捉えることができます。
つまり、精神保健福祉手帳の3級に該当する場合は、多少の支援は必要になるが支援を受けることで自立した社会生活を送ることや就労ができるという状態ということになります。
障害者手帳取得のメリット

障害者手帳を取得することで受けられるメリットについてみていきましょう。
生活に関わるサービスが受けられる
精神保健福祉手帳を申請することで活用できる日常生活に関わるサービスは以下のような内容になります。
また、生活が困窮している場合には生活福祉資金の貸付の支援を受けることもできます。
精神保健福祉手帳の有無には関わりませんが、自立支援医療による精神科や心療内科にかかる医療費負担の助成や障害福祉サービスに関わる支援を受けることもできます。
障害者雇用の求人に応募できる
精神疾患により体調等が安定せず、通院の必要があったり、環境に配慮が必要な場合もあります。
一般枠では継続した就労が難しい場合は、障害者雇用で就職することも検討すると良いでしょう。
障害者雇用枠でのメリットやデメリットは別の記事でも書いていますので参考になさってくださいね。
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”障害者枠はずるいの?”障害者雇用のメリットや大変なこと
続きを見る
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精神保健福祉手帳を持つデメリットについて
精神保健福祉手帳を持つことで、日常生活にデメリットが出ることはありません。
日常生活に関わる様々な割引やサービスを活用することができるので、経済面でメリットを感じることができる場合が多くなるでしょう。
もし、精神保健福祉手帳を持つことに心理的負担を感じる場合があり、精神保健福祉手帳を手離したい場合は手帳の返還を行うことができます。
また、精神保健福祉手帳は2年毎に更新手続きが必要になりますので、精神保健福祉手帳を手離したい 場合は更新手続きを行わないという選択肢を持つことができます。

僕は障害者手帳を取得することで障害者雇用で大手企業で配慮を受けながら仕事をすることが出来ています。
障害者手帳の申請方法
申請する際には以下の手続きが必要になります。
申請手続き
① 精神保健福祉手帳 申請書
② 以下の書類のうち、いずれかの書類
・医師の診断書(精神障害と診断された日から6か月以上経過したもの)
・障害年金を受けている場合の障害年金証書、年金裁定通知書、直近の振込(支払)通知書いずれかの写し及び同意書
・特別障害給付金受給資格者証、直近の国庫金振込通知書いずれかの写し及び同意書
③ 写真(縦4cm・横3cm/脱帽、上半身で最近撮影された写真:申請する自治体に予め確認するのが望ましい)
申請窓口は生活している市区町村の精神保健福祉に関する窓口になります。
申請から手帳交付決定まではおおよそ1ヶ月かかります。
申請して落ちたらどうしたらいい?

残念ながら、障害者手帳は申請すれば必ず取得できるというものではありません。
しかし、先ほども書いたように、精神疾患による障害が一定期間以上継続した状態にある方が、日常生活に支障が出ている場合には交付されるので安心してください。
ただ、日常生活に支障が出ていることをうまく伝えられずに申請が通らないこともあるのは確かです。
その場合はこちらの記事に再申請する際のポイントを書いているのでぜひ参考にしてくださいね。
- あわせて読みたい記事
- 精神障害者手帳3級に落ちた人へ。再申請するために必要な情報と準備のポイント
まとめ
精神保健福祉手帳は3級相当でも活用できるメリットが多くあります。
特に、精神保健福祉手帳を所持することで経済面における負担の軽減につながる可能性を期待することができます。
精神的なしんどさで心療内科や精神科で治療を続けている場合は精神保健福祉手帳の申請について検討することも考えても良いのではないでしょうか。
精神保健福祉手帳を申請する条件に当てはまる場合は、ご自身が生活している市町村で申請手続きを行ないましょう。