- 学生時代はなんとなくやりすごすことができていたのに・・・
- 自分がこんなに社会で通用しないなんて認めたくない・・・
- 自己肯定感が下がるばかりで人とかかわるのがつらい・・
社会に出てから周囲とうまく馴染めなかったり、仕事が指示通り進められないことで発達障害を疑う方も少なくありません。
診断名がつくことは怖いけど、このまま前に進めない人生もつらい・・・そんな風に悩まれている方もいらっしゃるでしょう。
近年では発達障害という言葉が広く知られるようになり、社会生活で生きづらさを感じることにスポットが当てられるようになってきました。
今回は「発達障害かも…」と悩む方のために、発達障害とはどういったものか、大人になってから発達障害を疑う場合どんなところに相談したらよいのかといった内容をまとめました。
話を聞いてもらうだけで、一歩前に進めるかも知れませんよ。
発達障害とは
発達障害とは「生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態」(厚生労働省 みんなのメンタルヘルスより)と定義されています。
大きく3つに分類されていますが、発達障害はこの分類に必ず当てはまる訳ではなく、それぞれの要素が絡み合うことも多いため診断が難しい障害とされています。
自閉スペクトラム症(ASD)
今までは自閉症、アスペルガー症候群と呼ばれていましたが2013年から自閉スペクトラム症と統一されるようになりました。
先天性の脳機能障害であり、特徴として強いこだわりや感覚の過敏性、コミュニケーションにおいていわゆる「空気が読めない」ことが挙げられます。
注意欠如・多動症(ADHD)
年齢による成長にそぐわない落ち着きのなさがあり、集中力が持続せずじっとしていられないといった特徴があります。
脳機能の発達が何らかの影響で阻害されたことが原因と考えられていますが、未だはっきりと解明されていません。
学習障害(LD)
IQなど知的能力に問題はないものの、読み書きや計算など限られた機能での学習障害がみられます。先天性の脳機能障害と考えられていますが、影響が出ている部位や原因などははっきり解明されていません。
大人の発達障害とは
発達障害は先天性の脳機能障害が原因と考えられており、幼少期から影響が出ているものと思われます。
ただし障害の程度や本人の学習、周囲の配慮によって問題が顕在化しない場合もあります。
大人になり、より複雑な環境になるにつれて社会への適応が難しくなったために初めて発達障害が判明した、といったケースも少なくありません。
大人の発達障害による影響とは
脳機能障害による影響は様々ですが、発達障害は周囲の環境から受ける影響も大きいと言われています。
大人になってから判明した場合、それまで環境から受けたストレスによるうつや不安障害など、精神的な影響によってより複雑な障害となっている可能性もあります。
相互に関係し合って悪循環に陥ることが多いため、問題が表れている場合には早めの対応が必要です。
大人の発達障害の相談窓口は?
大人の発達障害はどこに相談したら良いのか迷う方もいるかもしれませんね。
相談できる機関は複数ありますので紹介していきます。
病院や診療所等の医療機関
発達障害の対応をしている診療科は小児科、児童精神科、小児神経科が中心ですが、大人になってからの場合は精神科や心療内科が主となります。
ただし発達障害という病名が広く知られるようになってから日が浅いため、ひとくちに精神科と言っても必ず対応できるわけではありません。
受診の前に電話やホームページ等で対応可能か確認しておくことがよいでしょう。発達障害の専門外来を行なっている医療機関もありますので、まずは受診して医師と相談してみましょう。
発達障害者支援センター
いきなり病院へ受診するのは抵抗がある、といった方については、専門の相談窓口として発達障害者支援センターがあります。
都道府県または指定都市に設置され、悩みについて一緒に検討できる相談員が配置されています。症状に関するアドバイスから支援を受けられる制度説明など、発達障害から起こる様々な問題について相談できる窓口です。
こころの相談窓口
出向いていく踏ん切りがなかなかつかない、といった方向けに電話で相談できる窓口があります。
都道府県や指定都市で設置されており、機関によって名称が違うことがあるため事前にホームページ等で確認しておくことがよいでしょう。
また厚生労働省による「こころの耳」ではSNSやメールでの相談も対応しています。まずは聞いてみる、といったアクションが取りやすく気軽な相談が可能です。
大人の発達障害で受けられる支援制度はある?
発達障害の特性により生活に困り感のある方もいるでしょう。
支援サービスを受けることで生活がしやすくなることも多いです。支援を受けるための手続きなどについて説明していきます。
精神障害者保健福祉手帳の取得
発達障害があるために生活に支障がある場合、精神障害者保健福祉手帳の取得が可能なケースがあります。
精神障害保健福祉手帳を取得するためには、一定の期間通院し、精神症状が続いていることを医師が確認する必要があります。そのため初診から少なくとも6ヶ月以上経っている必要があります。
また自治体により判断基準が異なり、申請すれば必ず取得できるわけではありませんが、取得することで受けられるサービスも多数ありますので、まずはかかりつけ医に手帳の取得の希望を伝えて相談してみましょう。
- あわせて読みたい
- ADHD(発達障害)は障害者手帳をもらえない!はウソ?
全国一律に行われているサービス
公共料金等の割引
- NHK受信料の減免
税金の控除・減免
- 所得税、住民税の控除
- 相続税の控除
- 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)
その他
- 生活福祉資金の貸付
- 手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
- 障害者職場適応訓練の実施
※自立支援医療(精神通院医療)による医療費助成や、障害者総合支援法による障害福祉サービスは、精神障害者であれば手帳の有無にかかわらず受けられます。
出典:厚労省 みんなのメンタルヘルス
地域・事業者によって行われていることがあるサービス
公共料金等の割引
- 鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
- 携帯電話料金の割引
- 上下水道料金の割引
- 心身障害者医療費助成
- 公共施設の入場料等の割引
手当の支給など
- 福祉手当
- 通所交通費の助成
- 軽自動車税の減免
その他
出典:厚労省 みんなのメンタルヘルス
- 公営住宅の優先入居
障害者雇用枠での就労
精神障害者保健福祉手帳を取得することで、障害者雇用枠での就労も可能になります。
障害者雇用枠での就労は一般にオープン就労ともいわれ、障害があることをオープンにし配慮を得ながら就労することが出来ます。
ただし、給与などの待遇面やキャリアにつながる職種が少ないといったデメリットも考えられます。
もちろん手帳を取得しても、クローズ就労(一般就労)をされている方も大勢いらっしゃいますのでどちらが自分に向いているか検討されるとよいでしょう。
あわせて読みたいどっちがいい?オープン就労・クローズ就労のメリット、デメリットを徹底比較
就労移行支援
就労移行支援は手帳の有無に関係なく、医師の診断書があれば受けられるところが多いです。
自立支援医療制度(精神通院医療)
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患のための通院による医療費の自己負担を軽減するものです。
精神障害(てんかんを含む)により、通院による治療を続ける必要がある方が対象となり、発達障害も含まれます。
医療費の自己負担が一般の方であれば公的医療保険で3割ですが、精神通院医療では1割負担に軽減されます。
さらに、この1割の負担が過大なものとならないよう、1 か月当たりの負担は所得に応じ上限を設けています。
世帯区分 | 本人収入または世帯ごとの税額 | 負担および自己負担上限額 |
生活保護世帯 | 生活保護 | 月額0円 |
市町村民税非課税世帯 | 本人収入800,000円以下 | 月額2,500円 |
市町村民税非課税世帯 | 本人収入800,001円以上 | 月額5,000円 |
市町村民税課税世帯 | 税額33,000円未満 | 1割負担上限額月額5,000円 |
市町村民税課税世帯 | 税額33,000円以上235,000円未満 | 1割負担上限額月額10,000円 |
市町村民税課税世帯 | 税額235,000円以上 | 対象外(3割負担)上限額月額20,000円(注3) |
自立支援医療の利用方法についてはこちらの記事を参考になさってください。
あわせて読みたい知ってよかった!精神障害の方が使える自立支援医療
大人の発達障害 まずは相談してみよう
大人になってから生きづらさを感じることは誰でも起こり得ることですが、生活に支障が出たり自身での解決が難しいと思った場合は早めに専門機関へ相談しましょう。
様々なストレスが影響される障害だからこそ、想いを傾聴し、寄り添ってくれるスタッフがいます。
専門機関と聞くと連絡しづらい印象があるかもしれません。そんな時はまず身近な人に悩みを打ち明けてみましょう。力になってくれる人は必ず存在します。
悩みを抱え込まず、想いを伝えることができれば既に障害を乗り越える第一歩が踏み出せている証拠です。
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