「うつ病を発症してから休職、復職、退職、就職、また休職、退職……その繰り返しで疲れた」
「転職を繰り返すのもうつ病のせいなの?」
「もう一生仕事が出来ないのかな……」
うつ病で転職を繰り返している方の中には、そのように思い詰めてしまう方もいます。
「もう年だし、再就職なんて無理だ」と諦めてしまっている方もいらっしゃいます。諦めることで、かえって気が楽になって自分のペースを取り戻す方もいらっしゃいます。またうつ病でも安定して働いている人もいますよね。
彼らは「うつ病」という共通点があるにもかかわらず、一体何が違うのでしょうか?
この記事ではうつ病をくり返すいくつかの原因と対策についてわかりやすく解説しています。
転職を繰り返すのは悪いことではない
日本の社会では転職を繰り返すことを「職歴を汚すだけ」と言って悪のようにとらえる人もいます。ですが、転職を繰り返すことは悪いことではありません。自分に合わない職場で我慢し続けたらどうなってしまうのかというと、心身に不調をきたすことになります。
そうはいっても転職活動はしんどいですよね。出来れば会社で長く安定して勤めたい、というのが本音です。
そもそも、なぜ転職を繰り返してしまうのでしょうか?
うつ病で転職を繰り返す原因とは?
転職を繰り返すことは、その行為そのものが「脳の病気の特徴」というわけでもありません。転職を繰り返す原因には次のようなことが考えられます。
休養が足りない
まずうつ病には長期の休養が必要です。多いのは、1~6か月で復帰して、再発してしまい退職する方です。このような方は「早く仕事に戻らなくては」という焦りや、職場や家族からの圧力を感じていることがあります。また主治医によっても、本人の病状を重視せずに復職を進めることもあるでしょう。しんどいのに復職を勧められるようなら、転院を検討しましょう。
うつ病は、再発すると今後も繰り返す可能性が高いといわれます。大切なのは長い休養を取ることです。1年、2年、場合によってはそれ以上の時間をかけてもいいでしょう。そんなに休んだら社会復帰できない、と思われますか? 大丈夫、エネルギーが満ち足りた時には、自然と身体に活力が溢れてくるものです。
自己理解が十分ではない
デスクがずらっと並んでいるオフィス。
上司は地声が大きいうえにすぐ怒鳴る。
右の人の香水が気になって、左の人からは頻繁に話しかけられ、向かいの人の視線が気になる。
通勤や帰宅ラッシュがしんどいので、早めに出勤したり遅い電車で帰ったりしている。
3日連勤すると5日目に休んでしまう。
仕事に集中しなければと思うのに、30分経つと思考停止に陥って、気づけば仕事が溜まってパニックになる。
昼休みも一人で過ごせる場所がない。
休日は寝たきりで何もできない。
上記のように職場の環境や働き方にストレスを抱えている状態では、仕事に行くことが苦痛になりますよね。
けれども、自分がどういう状態になると辛くなるのか、どういう状態なら継続できるのかをといった自己理解を深めることで「自分のトリセツ」を手に入れることができます。
自分を理解すること
どういうときに体調が落ち込むのか? 天気や気圧の影響、嫌な人に会ったなど、トリガーがあるのか、季節の変わり目などのサイクルなのか。
何にストレスを感じるのか? 視線、音、匂い、雰囲気などか、時間に追われることなのか。
どういう仕事が向いているのか? 座って集中できる仕事がいいのか、身体を動かす仕事がいいのか。事務作業がいいのか、製造や技術職がいいのか、リモートワークがいいのか。
どういう働き方がいいのか? 出勤できる時間は何時か、勤務できる時間はどれくらいか、連勤は何日までか。
体調が悪くなる前に休むことができたり、環境に対する配慮を申し入れることで、継続した就労が可能になるかもしれません。
職場の理解が足りない
職場の理解の有無も大きくかかわってきます。上記に挙げてきたように、ご本人がしっかり休養をとって病気も回復し自己理解を深めたのに、職場の理解がなくて退職せざるを得ないこともあります。
たとえ人事担当者が理解し味方してくれても、一緒に働く現場と上司に理解がなければ働き続けることは困難です。
「私は季節の変わり目に休みがちになります」と伝え、人事担当者からも「そういう時は有休を使ってもいいですよ」と言われたとしても、現場から「休みすぎじゃない?」なんて一言があると休みにくくなりますよね。
無理して出勤し続けると、やがてストレスが積み重なってきて、退職へ至るケースもあります。
自分自身で障害に理解のある職場を探すのが難しい場合は転職エージェントなどのプロの力を借りるのも良い方法です。
うつ病以外の複合的な要因も
うつ病やその他の精神疾患で治療困難な場合、中には愛着障害等が潜んでいることもあります。
愛着とは、人格の土台を形成する部分です。愛着は「安全基地」と呼ばれる心のよりどころがあってこそ、安定した愛着スタイルを形成します。安定した愛着スタイルを持った人は、仕事でも対人関係でも安定したつながりを持ちます。反対に不安定な愛着スタイルを持った人は、社会的にも対人関係においても困難を抱えるのです。
精神疾患患者の中には、こうした愛着障害が潜んでいることもあります。その場合、表面的な精神疾患へのアプローチだけでは足りません。
根本的な愛着障害に焦点を当てたアプローチによって、改善されることもあります。専門的な治療ではなく、理解のあるパートナーや友人といった「安全基地」を得ることによって、本人の愛着スタイルが安定型になり、これまでの苦しさから解放されることもあります。
昔からどんな環境でも馴染めない、何年もうつ病の治療の効果が見られないなどの場合には、愛着障害等の対応が出来る医師やカウンセラーを頼るのも一つの手段です。
転職を繰り返さないおすすめの対策は?
これまで原因についてみてきました。解決策はおのずと導き出されています。
- 焦らずしっかり休養する。
- 自己理解を深める。
- 職場の理解を得られないことを人事担当者に相談する。
- 福祉サービスを検討する。
福祉サービスの中には就労に絞った支援をしてくれる就労移行支援、就労定着支援、就労継続支援A型、B型などがあります。
うつ病で転職を繰り返すことに疲れてひきこもってしまった方でも、社会復帰の第一歩として就労継続支援や就労移行支援を利用し、数年後には一般企業に就職。そして就労定着支援により本人と現場の調整を行うことで、安定して働き続けているといった方も大勢いらっしゃいます。
転職を繰り返さないためには、十分な休養が必要
うつ病で転職を繰り返す方の中には、休養期間が6か月未満と短すぎる方が多いです。そして自分がどのような時に体調が落ち込むのか、どういう働き方がいいのかを掴み切れないまま再就職をして、しんどくなって退職してしまいます。または職場の理解がなく、働くのが辛くなるケースもあります。
そして、これらの中でも最も重要なのは、初めの「休養」です。休むことに罪悪感を覚えている方もいらっしゃると思いますが、実は休むことも決して楽ではないのです。
何もせず、焦らず長い時間をかけて休むこと、これってかなり難しいですよね。だけど、それが最も重要なことなのです。
焦りや不安が大きい場合は、自分に合った福祉サービスを頼ってスモールステップを踏んでいくのも有効です。
自分にどのようなサービスが必要なのかわからない場合はぴったりチャートを使って調べてみてくださいね。
診断
ぴったりチャート
あなたに必要な就労支援サービスは?
働きたいけど何から始めていいかわからない
就労面だけでなく生活面についても相談したいですか?
働く準備がすでに整っていますか?
一般企業への就職に向けて準備を始めますか?
就活に向けてプロのサポートは必要ですか?
一般企業への就職に向けて準備を始めますか?
診断結果
あなたにぴったりのサービスは障害者就業・生活支援センターです。
令和4年4月現在、全国に 338センターあります。
障害者就業・生活支援センター(通称なかぽつ)では
・働くためになにから始めたらよいのかわからない
・採用されても継続した就労ができない
・自立して生活をしていきたい
など、障害をもった方の就業面だけでなく生活面も一体的に支援を行っています。
なかぽつについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
診断結果
結果の文章とか
結果の文章とか
診断結果
あなたにぴったりなサービスは就労移行支援です。
一般企業への就労に向けてトレーニングを始めましょう。
就労移行支援事業所は一般型、スキル特化型、障害種別型の3つのタイプがあります。
あなたの目的に合った事業所をしっかり選ばないと『こんなはずじゃなかった!』と後悔することになるかも知れません。
いくつかの事業所を見学し、トレーニングの内容だけでなく、事務所の雰囲気やスタッフとの相性も含めてチェックしましょうね。
診断結果
あなたにぴったりのサービスは就労継続支援です。
就労継続支援には雇用契約を結び賃金を得る就労継続A型、雇用契約を結ばずに工賃を得るB型があります。
最近では、特色のある就労継続支援事業所も多く、以前に比べやりがいをもって好きな仕事を選べるようになってきました。
体調や障害の特性などを考慮し、自分に合った事業所を選ぶと良いでしょう。
診断結果
あなたにぴったりなサービスは転職エージェントです。
プロのサポートを受けながら効率的な就活をして、就労の継続を目指します。
自分の希望をしっかりを伝えながら、プロのアドバイスをもらいましょう。
あなたの特性や強みにマッチした企業を探すコツは複数のエージェントを利用することです。
利用は無料なので安心ですね。
診断結果
あなたにぴったりなサービスはハローワークや転職サイトです。
ハローワークにも障害をもった人を対象としたサービスもあり、相談にのってくれます。
ハローワークや転職サイトを利用して、まずはご自身で就活をしてみましょう。
自分に合った仕事を見つけにくかったり、面接の対策など必要な場合は転職エージェントなどでプロのサポートを受けるのも良いでしょう。
参考:東京ハローワーク
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就労移行支援事業所は一般型、スキル特化型、障害種別型3つのタイプがあります。
あなたの目的に合った事業所をしっかり選ばないと『こんなはずじゃなかった!』と後悔することになるかも知れません。
いくつかの事業所を見学し、トレーニングの内容だけでなく、事務所の雰囲気やスタッフとの相性も含めてチェックしましょうね。
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最近では、特色のある就労継続支援事業所も多く、以前に比べやりがいをもって好きな仕事を選べるようになってきました。
体調や障害の特性などを考慮し、自分に合った事業所を選ぶと良いでしょう。